爆速経営 新生ヤフーの500日 (2013/11/07) 蛯谷 敏 |
本書を読んで喜んでいるなんて、やっぱミーハー経営者だろうか(笑)。最近、宮坂社長の露出も増え、その存在感は増しているように感じるが、トップ交代時はどうしても前経営者の井上氏の存在の方が目立っていたのだと思う。
経営者として未知数の若手よりヤフーを創り上げたトップの方がマスコミの話題になるのは当然の話。
僕も井上氏の顔はすぐ浮かんでも、宮坂氏となると「あれ~DeNA守安さんだっけ???」と随分と失礼な感じだったりと・・・。
ただここに書かれている内容はまさにうちの会社が抱えている課題と重なる点もあり、参考にしながら読ませてもらった。
会社規模も経営者の能力も雲泥の差状態ではあるが、大げさに言えば置かれた環境は近いといえる。今、僕たちが取り組まなければならないこと、そして取り組んでいることに近いのだ。トップの衝撃的な交代劇も・・・。
しかし、その覚悟の度合いやスピード感は明らかに僕とは違う。ウサイン・ボルトとおねだり豊くらい違う(結構、健闘してるじゃないか。な~んて・・・)。だが、そこにあるのはベンチャー企業にありがちな革新的な発想とハードワークがあるわけではない。
原理原則を基本とした戦略を貫いている。強いものはより強くし、弱いものは撤退し損失を最小限に抑える姿勢。また、会社の一体感を醸成させる取り組みも新興企業とは異なるのかもしれない。
そんな点ではローカルで革新的でない自分たち(苦笑)にも大いに参考になった。
個人的に以前はあまり利用しなかったスマホのヤフーも、最近は頻繁に利用している。知らず知らずのうちにヤフーの戦略が自分の生活の中にも入り込んでいる証だろう。それだけで新生ヤフーの500日は生きているのだ。
そして、何よりも際立つのは組織。優秀な個人の活躍も当然だが、いかに組織を活性化させモチベーションを上げるか。それが上手く活かしている実例を見させてもらった。企業規模が違えども、業態が違えども、参考になる点はどんどん吸収せなばならない。そんな事を感じた一冊だった。
巻末に紹介してある参考図書も何冊かは読んでみようと思う。