単純な映画ほど深いメッセージがあるのかもしれない。
そう考えると純粋に映画を楽しむことが難しくなる。
真意を確かめるのも大切だが、そんなことはどうでもよく、
もっとお気楽な時間を過ごすだけでもいいのではないか。
時々、何も考えずに向き合いたい。
特に本作はそれでもいいと思ってしまう。
僕の中でマーゴット・ロビーは海外の女優では抜群の存在。
「バビロン」を観て大きな刺激をもらったが、とても魅力的な女優。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」もそう。
本作ではまさにバービーそのもの。
煌びやかな衣装の立ち振る舞いを観るだけでも十分に満足。
しかし、それではただのスケベオヤジにしか写らないのが現代。
そんな眼差しで映画を観ることは許されない。
完璧なマーゴットロビーを楽しみながらも、深いテーマうを語り合わなきゃいけない。
映画は時々面倒くさい。
本作を娯楽作と受け取るのは短絡的。
場合によっては批判を浴び、上映禁止まで発展する。
好き勝手に映画を撮る時代は終わり、多方面への意識を要求される。
見方を変えれば本作はあえて挑戦し、様々な解釈を生み出そうとしているのではないか。
「バービーランド」は誰にとっての理想なのか。
夢のような世界で過ごすことは毎日が楽しく何の不自由もない。
争いごともおきない。
それぞれが自分の立場に疑問を持たず暮らす。
バービー人形で遊ぶ子供たちはそんな世界に憧れているが、
それが本当の幸せなのかと成長の過程で知ることになる。
本来の人間の姿を見て、バービーもケンも気づくわけだが、それは本当の人間の姿なのか。
正しさといえるのか。
それこそエゴではないのか。
単純な映画を単純に楽しめば何も悩むことはない。
視野を広げ視点を高めるのは重要だが、それが人を不幸にする。
単純に楽しむことができなくなるのだ。
マーゴットロビーを堪能したい。
右脳感覚だけで映画を観たい。
あまり面倒くさいことは語りたくはない。
そんな作品。
何を書いているのか意味不明と捉えられるかもしれないが、
マーゴットロビーに魅力を感じる人は理解してくれるはず。
最終的な選択も応援するけどね。