この映画を観て、「永遠の0」を思い出した人って意外と多いんじゃないかな。ストーリーも映画が醸し出す雰囲気も全く違う。しかし、過去と現代がオーバーラップする構成やその時代背景が持つ重さは近しいものがあると感じてしまった。
だからといって「永遠の0」に感動した人に観てもらいたいわけではない。むしろ、その逆だなと個人的には・・・。あくまでも個人的な感想です(笑)。
登場人物は最近の山田洋次ファミリーがほとんど。「あれっ、これって東京家族じゃん」と思ってしまうような配役。ワザと狙ったのかな・・・。吉岡秀隆は「三丁目の夕日」に落ち着きを持たせた感じだったり・・・(笑)。
そんな中で輝いていたのが松たか子と黒木華。松たか子の優しさと怖さを併せ持つ存在感は今更語るまでもないが、ベルリン国際映画祭の主演女優賞を受賞した黒木華はつい最近まで全く知らない女優さんだった。
1ヶ月ほど前にDVDで観た「舟を編む」のミーハー女子社員役で初めて知っただけ。あの映画でも仕事に臨む姿勢が徐々に変化していく様を上手く表現していたが、本作と同じ女優さんとは到底思えない。いかにも昭和チックな古めかしい田舎娘を演じており人物像が180度違う。
特別美人でもないが(すみません・・・)、愛らしい表情は印象的だった。表情一つで全て変わる女性はやはり恐ろしい(笑)。
映画の宣伝用のコピーにはこのようなことが書かれている。
僕はこのコピーが適切だとは思わない。山田洋次監督は納得しているのだろうか。それを知る由もないが、もう少し映画を的確に伝える表現があったように思えてならない。
個性がないのが個性と言われていた山田作品。この年齢になられ、個性的になってきたと思うけど・・・。
これからも同姓としても期待していきたい(笑)。
2014年2月24日