予備知識はなく映画サイトの評価が高かったので観た作品。
オープニングでリバイバルかと思ったり、
いつの時代を描いた作品なのかと予備知識のなさを後悔しながら映画は進行。

70年後半?
80年代初頭?
と想像していたが、映画の途中で1970年ということが判明。
本作の解説にはしっかりと表記されていた(汗)。
当時のバラエティ番組やジムビームが2ドルで買える背景から時代は明確に。

作品とは関係ないが、主人公のハナム先生はどこでもジムビームばかり飲んでいる。
料理長のメアリーはラベルから推察するとオールドグランダッドじゃないかな。
1970年代のアメリカはバーボンが主流。
それもストレート。

ちなみに僕は20代半ばはバーボンをロックで飲んでいた。
70年代から90年代にかけてバーボンがウイスキー文化を作っていたのか。
いや、アメリカだからバーボンが普通か。
あまり飲まなくなったバーボンを急に飲みたくなってきた。
ジムビームは安く買えるし・・・。

ウイスキーの話をしたいわけではない。
映画でも重要なポジションを担うが、あくまでも脇役。

作品は主人公の教師と寄宿舎に残る学生と寄宿舎の料理長との交流を描く。
教師は生真面目で皮肉屋で生徒からも同僚からも嫌われている。
学生は両親と疎遠になりつつある。
料理長は息子を戦争で失くし落ち込む日々を送る。
そんな事情を抱えた3人がクリスマス休暇を一緒に過ごす。

どこかで観たことのあるようなストーリー。
目新しさがあるわけじゃない。
それでも毎日一緒に過ごす時間に僕らは吸い込まれていく。

反発しあっていた関係から理解し合いかけがえのない存在に。
その流れが感動的。
本音をさらせば心も通い合う。

結局は人なんだ。
1970年代であろうと2020年代だろうと関係ない。
白人であるか黒人であるか国籍も関係ない。
日本人も同じ。
互いを許しあえるかどうか。
今、危うい方向に向かっている世界も一緒。
そんな点は学ばないと・・・。

本作は今年のアカデミー賞にもノミネート。
メアリー役のダバイン・ジョイ・ランドルフは助演女優賞を受賞。
全然知らなかった。
その影響か地味な作品の割には観客も多かった。

それにしても70年代は飲酒運転も映画館でのタバコも当たり前。
おおらかな時代。
それがいいとは思わないが、いつの時代も求められるのは同じ。
こんな関係性を作れる存在でありたいね。