僕が世の中に取り残されつつあるのか。
それとも山口氏が遥か先を歩いているのか。
そんな感覚に襲われる。

山口氏の著書の大半は読んでおり、常にハッとさせられ感心する。
言わんとしていることは理解できるし、確かにそんな世の中になっていく気がする。
「ニュータイプの時代」はかかなり影響を受けた。
大学の授業でも紹介し、そんな時代が訪れると学生にも話をした。

それはもう5年前のこと。
しかし、そんな時代はまだ訪れていない。
本人もVoicyで自らの著書を否定していた。
まだまだ早すぎたのかもしれない。

彼の理想に時代が追いついていないのか、単なる妄想なのか。
怪しい宗教ではないので100%感化されることはないが、その流れには共感する面が多い。
いずれそうなるだろうと・・・。

「ビジネスの未来」からの本書。
更にその上の概念になるのだろうか。
こうなるとついていくのがやっと。

アファーマティブ・ビジネスとクリティカル・ビジネスの違いについて詳しく著されている。
そもそもアファーマティブ・ビジネスなんて言葉を普段の生活では使わない。
従来、我々が事業として手掛けていることを総じていう。
その理解からスタートすることが重要で対義となるのがクリティカル・ビジネス。

既になんのこっちゃと思う人がいるかもしれないが、そこは調べてでも理解した方がいい。
ソーシャル・ビジネスとクリティカル・ビジネスの違いについても言及されているし・・・。

日本のような成熟した国(そうでもないかな)は生きていく上で困ることはほとんどない。
格差や貧困を捉えれば言い切れないが、普段の生活で不自由なことはない。
それだけ満たされているのが現実で、更に欲を求めると実にイヤらしいものになってしまう。
そんな現実社会がクリティカル・ビジネス・パラダイムに向かっているということだろう。
カスハラが横行する背景はその歪みなのかもしれない。

ベーシックインカムの時代が訪れるかは分からないが、
企業が自社の利益だけでなく社会全体の価値向上を考える方向へ少しずつ向かう可能性もある。
そうなるとリーダーシップのあり方も変わる。
フォロワーの存在でリーダーシップが変わるということ。

ただそこに至るにはまだ相当な時間が掛かりそう。
その前に日本が沈没しなきゃいいけど。

僕自身も自らに変化対応を迫り、若者にも変化を求める。
単純に変化すればいいということではない。
「創造と破壊」と「逸脱と秩序」が同時に成立してバランスをとる状態を社会に生み出すこと。
と山口氏は説く。

どんな社会かはまだイメージできない。
イメージできないからスルーするのではなく、頭の中に意識だけは持っておきたい。