ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略 (PHP新書) (2013/12/14) 高橋 俊介 |
ブラック企業という言葉が出てきたから、ホワイト企業が出たのか、そうではなく元々あったかはわからない。
ブラック企業が社員使い捨て、休日なし、残業代未払いだとしたら、ホワイト企業はその反対になるのだろうか。そんな単純な話ではない。それで解決できるのであれば、ほんの10ページで内容は終わってしまうはず。
著者は「真のホワイト企業とは、若者を成長させ、変化の激しい時代において雇用の質を向上させる企業」と言い切っている。
残業が多い=ブラック企業という認識をされると僕は違和感を持ってしまう。
僕自身、かなりの残業をしてきた。大変ではあったが、それが嫌で嫌でたまらなかったわけではない。その時間も充実していた。そんな働き方をしている若者はいつの時代でもいるはずだし、そのことに働きがいを持つ者も多いと思う。
そこには著者の言う「若者の成長」が知らず知らずに含まれているだろうし・・・。
残業なし、多い休日=ホワイト企業ではない。これから企業に向かう若者はそこを錯覚してはいけない。
日本でもサービス業の割合が増え、勤務時間・休日の設定、アルバイトと正社員の違い等、雇用側の抱える課題は大きくなっている。
本書にも事例があるようにスターバックスコーヒーはいいロールモデルだろう。だが、同じ取り組みをするのは容易ではない。
しかし、人材育成がこれからの企業繁栄のカギとなるとすれば、その手法は参考にすべき。著者は仕事観の構造(内因的仕事観、功利的仕事観、規範的仕事観)を用いながら、人材育成の重要性を主張している。
(高橋氏の講演を拝聴するたびに最近は強く感じることでもある。)
その中で仕事を覚え、やりがいや自己成長を感じていくと働きがいも自ずと湧いてくるのだろう。著者はわかりやすくこのようにも表現している。
働きやすいが、働きがいのない企業は「人材滞留企業」。
働きやすくはないが、働きがいのある企業は「人材輩出企業」。
その両方ないのが、ブラック企業と言える様だ。
では、うちの会社はどうなんだろうか・・・。僕なりの目線はあるにしても、そんなことは自分勝手な論理にすぎない。働いている側はブラックだ!と思っていたり・・・(笑)。
仮にそうだとしても、全員で若手を育てていくやり方はこれからも続けていきたい。