資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) (2014/03/14) 水野 和夫 |
本書を読むと将来に対して絶望的な気持ちになるのと同時に、では、一体会社をどんな方向に向かわせればいいのかと悩んでしまう。
僕は基本的に規模を追うことは求めていない。企業を成長させることは経営者の義務には違いないが、売上拡大のみを追求していくとここに書かれている世界へと自ら迷い込んでしまうようだし・・・。
資本主義の中で生きていくことを否定するつもりもないし、その中で淘汰される現実があるとすれば甘んじて受け入れなければならない。ハゲタカのいう資本の論理というヤツだ。
(おっ、今日はハゲタカ会in名古屋だぞ・・・)
だからこそ何のための会社なのか、会社をどうしたいのか、社員をどうしたいのかを真剣に問い続けなければならない。それが僕に求められる一番大きな要素。ボンクラ経営者は脳ミソのメモリー量が少ないので、困ってしまうけど・・・。
先行きを予測するには歴史を振り返る必要がある。16世紀以降の資本主義の在り方が、ヨーロッパや日本、アメリカを経て、これからの中国に繋がっていく。分かりやすい世界ではあるが恐ろしい世界でもある。
そして、資本の後始末をするのが国家という見方も説得力がある。
バブルが崩壊すると、国家は資本の後始末をさせられる。資産価格の上昇で巨額の富を得た企業や人間が、バブルが弾けると公的資金で救われます。その公的資金は税という形で国民にしわ寄せがいきますから、今や資本が主人で、国家が使用人のような関係です。
僕らのような中小企業は自己責任しかあり得ないわけだが、僕はその方が潔くていい。責任の所在ははっきりしないといけない。誰も責任を取らない世界は勘弁してほしいと思う。
「禁欲」と「強欲」はコインの裏表。
常にそこを意識していかねばならないだろう。う~ん、愚か者には難しいかもしれないが・・・。