多くの人が話題にしていたNetflixの「地面師たち」。
少し前になるが一気に観てしまった。
評判通りの面白いドラマ。
監督、脚本の大根仁氏はTV局に企画を持ち込んだが全て断られたという。
過激な作品はもはや地上波では受け付けない。
賛否はあると思うが、面白いドラマは地上波からは生まれなくなってしまうのでは。
ちなみに大根監督作品で観たのは「モテキ」「SCOOP!」。
両作ともメリハリのある良作。
「SCOOP!」を観ても、これに近い作品は地上波では無理だね(笑)。
「地面師たち」のモデルは積水ハウスが地面師グループに土地購入代金の55億円を騙し取られた事件。
どこまで本当かは分からないが、かなり実話に近いらしい。
さすがに山本耕史のような土地を眺めながらの行為はないと思うが・・・。
その流れで原作を読んでみた。
と思って購入した書籍は原作と違った。
ノンフィクションの「地面師」。
ドラマの参考文献ではあるが原作ではない。
酔って注文したのか、手元に届いてからノンフィクションであると気づいた。
たまにはこんなミスもOK。
面白く読ませてもらった。
森功氏は人の闇を描くのが得意なノンフィクション作家。
これまでも「日本を壊す政商」「ならずもの」
「国商 最後のフィクサー葛西敬之」と手に取った。
「地面師」では積水ハウス、アパホテルはじめ、
いくつかの不動産詐欺事件を取り上げている。
冷静になれば騙されることはないと思うが、
それはあくまでもより客観的な立場で疑って観ているから。
当事者で土地を見せられ、完璧な証書や契約書を出されたらコロッといってしまうかもしれない。
幸い僕は大したお金も持っていないし、
土地を所有したい欲もないので事件に巻き込まれることはないが、
誰にでも可能性はあるだろう。
実際に本書に登場していないだけで、詐欺事件は無数にあるはず。
不動産詐欺限らず、ありとあらゆることで考えられる。
夜の街で1時間5000円という囁きを含め、疑ってみる目は養わなきゃいけない。
得てして加害者も完ぺきではない。
ドラマもそうだが、本書でもちょっとしたミスを犯している。
気づくチャンスはあったはず。
盲目的な判断では困るが、恥をかいても立ち止まる勇気は欲しい。
映画もそうだが書籍も実話ものは勉強になる。
たわいもない感想ブログだが、自らを戒めるいい機会になった。
次回、Netflixではこちらも話題の「極悪女王」を観てみようか。
白石和彌監督だし・・・。
学ぶ点があるかどうかは分からないけど。