なんとも不思議な映画。
一体、どんなジャンルに該当するんだろうか。
ミュージカル映画、青春映画、社会派ドラマ・・・。

どれも当てはまるようで当てはまらない。
解説には音楽ファンタジーと書かれているが、それとも違うような気がする。
日比遊一監督はあえて外すことを狙っていると勘ぐってしまう。

日比監督とは3年前に直接話をする機会があった。
「ロケ地ツアーに行ってきた」でも紹介したように映画「名も無い日」のロケ地ツアーに参加し、
映画に関してのエピソードを伺った。
(あの時は当たり前のように全員マスクをしていた)
その時を思い出すと全て計算されているように思える。

本作も名古屋ロケが中心。
またまたご縁がありムビチケを購入し鑑賞。

愛知県では多くの映画館で公開。

主役中村耕一は誰もが知る元JAYWALKのメインボーカル。
覚せい剤取締法違反で逮捕され活動を休止したが、本作はその後を描いているように思わせる。
ちなみに役名はなく男としか表示されない。
映画の中でもアンタとかお前とかアナタとしか呼ばれない。
正直、演技はヘタだが、却ってドキュメンタリーのように感じたり。
それも巧みな演出なのかな。

テレビ塔やセントラルパーク等、知った場所や実際の企業名も映し出され親近感が湧く。
愛知県では「名も無い日」同様、ヒットするんだろうね。

僕が最も感じたのは音楽は人を感動させるということ。
今更、何をと思うかもしれないが、本作での一番の気づき。
それは女役の遥海さんの歌声。
何度か歌うシーンが披露されるが、その歌声に素直に感動した。
涙が出そうになった。
それだけで映画を十分に楽しめたといっていい。
遥海さんは初めて知ったが、これから注目していきたい。

本作には名古屋で有名な矢野きよ実さんも写真一枚で出演。
以前の男の奥さん役というシャレの効いた設定。
何の問題もないネタバレ(笑)。

ラストシーンの解釈は人によって違う。
僕はあの飲み物からいいように捉えたが、実際、どんな観方をされるのだろう。
そのあたりは観た人に聞いてみたいね。