テレビドラマシリーズの映画化を観ることは少ない。
「踊る大捜査線」の映画を観たのも多分、1~2本。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」だけかもしれない。
記憶も曖昧。
ドラマも観ていない。

その程度の興味だったので、本作も観るつもりはなかった。
しかし、意外と評判は良い。
映画評論仲間からは「観ないと映画コラムニスト失格」という烙印を押された。
それを回避するために観ただけといっていい。

結論から言おう。
次作「室井慎次 生き続ける者」を早く観たいと思った。
テレビシリーズの流れは組むものの、一本の映画としての存在感は明確。
見応えはあった。

ただいえるのは本作は何も語っていない。
ドラマを知らない者に室井慎次の人間性を伝えたに過ぎない。
「次作がすべてだぞ!」と表現しているだけ。
本編にたどり着くまでの前座。
2話完結のドラマの前編。

本作を観た98%の人が次作も観るだろう。
実に巧みな戦略。
興行収入を上げるための戦略にまんまと乗ってしまいそうだ。

柳葉敏郎演じる室井慎次は元警察官僚。
警察を辞めて田舎に戻り、里親を引き受けひっそりと暮らす。
そんな中、起きた殺人事件。
あんな家の近くに死体が埋められていたことが信じられないが、
そうでもなきゃ田舎に住むオッサンが事件に絡むことはない。

少しずつ紐が解かれていくが肝心なところは何も分からないまま終了。
8年前の「64 ロクヨン 前編」「64 ロクヨン 後編」に比べると前編が弱いが、計算ずくか・・・。

次作は3人の子供がカギとなるんだろうか。
小学生の凛久は間違いないし、謎の少女日向杏も何かありそう。
杏を演じた福本莉子は「ディア・ファミリー」で病気の次女を演じていたが、180度異なる役柄。
将来が楽しみな女優。

高校生の貴仁の刑務所での面会シーンもよかった。
あんな犯罪者に新人弁護士が立ち会っても何の進展もないと思う。
室井さんに一言言わせたかっただけかな・・・。
この3人が次作でどう絡んでいくかが楽しみ。

回想シーンでは織田裕二や深津絵里が登場したが、サプライズで次作に出演したりして。
2人ともまだ生きているんだよね。
そんなことを思ったり・・・。

あと10日もすれば「室井慎次 生き続ける者」も公開される。
少しばかりのネタバレは問題ない。
映画コラムニストの端くれとして次作も観ますよ。