タイトルを見て躊躇せず購入。
内容を確認するまでもない。
僕が学ばなきゃいけないことが本書に書かれているような気がした。
著者は太田和彦氏。
著者名が後押しことは間違いない。
僕が憧れる大先輩の一人。
とはいえ、どんな経歴なのかはほとんど知らなかった。
全国の酒場を飲み歩き、あれこれ蘊蓄を語る優しいオジサンという程度。
本業は酒飲み作家ではなくデザイナー。
それも新卒で資生堂に入社されキチンとしたキャリアを築かれている。
立場は違えども僕もそれなりのキチンとしたキャリアじゃないか(笑)。
だからこそ本書を読み終え、更に目指すべき人物だと確信。
一人飲みが似合う作家は多い。
伊集院静や沢木耕太郎も憧れる人物。
ただ伊集院静はカッコよすぎる。
沢木耕太郎は爽やかすぎる。
吉田類はTV番組を見る限りグダグダすぎる。
(失礼ですね・・・)
一番近づけそうなのが太田和彦氏。
適度な緩さだが失礼はない。
少し乱れるが大きくは乱れない。
少しも乱れないのかも・・・。
そんな雰囲気は僕も同じ。
「違うだろ!」という輩がいるかもしれないが、本来の僕を知らないだけ。
これも粋な飲み方だとすれば僕もそんな道を辿りたい。
本書はいろんな雑誌に掲載されたエッセイをまとめたもの。
椎名誠並みに軽いエッセイもあれば、比較的固めのエッセイもある。
「酒場で飲む」「酒を味わう」「旅に出る」「古い映画を見る」
「一人を愉しむ」「私の東京物語」と6つの章に分けられる。
やはり内容を確認せずとも問題なかった。
しかし、太田氏がこれほど映画に詳しいとは思わなかった。
昭和30年代、40年代が中心だが、ここでも酒場を絡めたシーンが多く書かれている。
さすが!
既に閉店した酒場もあるが、今も営業を続ける名店も紹介されている。
全国津々浦々だが、時間とお金の余裕ができたら、一人ぶらりと出掛けたい。
人生を賭けた目標にしよう。
本書の解説は元村有希子氏。
僕と同い年のジャーナリストだが、「サンデーモーニング」のイメージが強い。
すこぶるお堅い方かと思っていたが、そうでもなさそう。
太田氏を師と仰ぎ、伏見の「大甚」にも一緒に来ている。
なんだ、見かけのよらないじゃないか。
還暦まで約2年。
60歳を過ぎたら一人飲みの生活を基本に置こうか。
いい学びになりました。