痛快で愉快で面白い作品。
あっという間に2時間が過ぎていった。
ちょうど2時間だけど(笑)。

上田慎一郎監督の「カメラを止めるな!」もそうだが、映画が終わりシーンを振り返るのも楽しみ方。
本作でいえば詐欺師集団が脱税王を騙しお金を奪うストーリー。
と同時に僕らも騙されているといっていい。
いつの間にか詐欺師集団に共感して一緒に騙している気にもなるが、実はそうじゃない。

それは最後の最後で明かされる。
そこから僕は記憶を巻き戻し、あのシーンは映画の中の演技かと疑う。
間違いなく整合性は取れているが、糸が絡み合っているようにも思える。
きっと2度、3度本作を観て、一つ一つ解明するヒマ人もいるだろう。
それだけ巧妙に仕上げられている。

すべてヤツの手のひらで踊らされていたのか・・・。

自分が優れている、自分が勝っていると調子に乗るヤツほどショックは大きい。
だからエグイ話でも爽快感は増すのではないか。
ここまで書いたところで映画を観ていない人は何のことか理解できない。
観た人はきっと納得してくれるはす。

この類の作品はあまり情報を入れず楽しんだ方がいい。
変に内容を知ってしまうと面白さも半減。
裏の裏の裏の裏まで読まないといけないし、無駄な努力が必要。

マジメで直球勝負しかできない僕は絶対、詐欺師にはなれない。
超マジメな内野聖陽演じる公務員熊沢はかなりセンスがあるということ。
詐欺師集団のトップを務めるの岡田将生演じる氷室マコト。
こちらもかなりのハマリ役。

何気に今年の岡田将生は存在感が大きい。
「ゴールド・ボーイ」「ラストマイル」と異なる主役を見事に演じた。
2024年の主演男優賞に値する。
演じ分けるできる二枚目もあまりいないと思う。
躍動した一年といえるのではないか。
プライベートも充実しているようだし・・・。

これまで上田監督はマイナー作品が多かった。
出演する俳優も無名が多く、そんな意味では本作が初めてのメジャー作品。
出演者が楽しそうに演じていると上田作品を希望する俳優も増えると思う。
これから更に期待は高まるね。