かなりマイナーな作品と思っていた。
映画館はセンチュリーシネマだし。
ところが映画館はほぼ満席。
お正月に観たせいかもしれないが、大きめの映画館でこれだけの観客には驚いた。
僕が穿った見方をしていただけかもしれない。
確かに俳優陣は有名どころがずらりと並ぶ。
本作は短編5作のオムニバス。
Ep.1では広瀬すず、仲野大賀、
Ep.2では岸井ゆきの、岡山天音、
Ep.3では今田美桜、森七菜、
Ep.4では草彅剛、吉岡里帆と続く。
豪華俳優陣の出演でこれだけのお客さんが入ったのか?
そんな理由ではないはず。
観客は僕の娘・息子世代が多い。
この世代に響くものがあったのだろう。
二子玉川の川沿いにある古ぼけたベンチが舞台。
どの短編も特に大きな出来事や事件があるわけではない。
ごくごく当たり前な日常会話が続くだけ。
撮影もほぼそのベンチ周辺。
ベンチ正面や背面から長回しで映すシーンも多い。
この一年で観た映画では一番低予算じゃないか。
俳優に高額なギャラが発生して作品にお金を掛けられなかったりして(笑)。
ただ登場する俳優陣はギャラよりも演出を楽しんでいるようにみえる。
何気ないありそうな会話を自ら発信しているような。
セリフという感じがしないから不思議。
アドリブだとしても疑わない。
そんなやり取りが今どきの若者にウケるのだろうか。
Ep.5はEp.1と繋がっているので、実際は4つのストーリー。
個人的にはEp.2の岸井ゆきのと岡山天音のカップル、
そこに絡む荒川良々の短編が一番面白かった。
思わす吹き出してしまった。
気になる方は観てもらえればと思うが、
女性は男性に対して些細なイヤな点が積もり積もるとこんなふうになる。
一つ一つは大したことないが、それが溜まるときっとこうなるんだなと・・・。
多分、いや、間違いなくうちの家人も同じように思っているはず。
いずれ一人前の寿司になってしまうのか(汗)。
鈍感な男は理解できない。
う~ん、辛いなあ~。
本作を自主映画の感覚を感じたのは僕だけではないと思う。
全体的にそんな雰囲気が漂っていた。
作品の公開は昨年11月15日。
名古屋では年末からの公開。
細々と長く上映され、最終的にはそこそこのヒット作になるのだろう。
こんな日本映画も大切にしたいね。