今年もフランス映画を観る機会は多いのだろうか。
ここ数年は僕に新たな視点をもたらしてくれる有難い存在。
本作もそれに近い。
僕にとって絵画のオークションは無縁の世界。
高い金額で落札されたニュースを見る程度。
裏側の世界は想像すらしたことはない。
ドロドロした危ういやり取りが繰り広げられているような気がするだけ。
実際はどうなんだろう。
本作は実話をベースに制作された。
エゴン・シーレも実在した画家で28歳で夭折した天才。
記憶は曖昧だが名古屋市美術館あたりの展示会にも行ったはず。
(その程度の知識なので見る目はない)
彼の作品はナチスドイツに略奪されたため、行方知れずの作品も存在するという。
本作の中心となる絵画「ひまわり」がそれ。
その「ひまわり」が偽物か本物かを巡って物語は進む。
個人的には予習をして臨んだ方がいい作品。
今週ブログで書いた「#彼女が死んだ」とは正反対。
一定レベルの知識を持ち合わせた方が理解も早く多角的な視点で楽しめる。
僕は理解度が低かったわけですな・・・。
一つの絵画を見抜く力は難易度が高い。
権威のある人が価値を認めれば金額は跳ね上がり、
価値が低いと判断すれべ金額は下がる。
誰しもが正しい判断をするわけではない。
あえて低い価値をつけ値段を下げる行為もあるらしい。
そんなことは素人には分からない。
玄人であっても振り回される。
そのせめぎ合いが本作の見どころ。
価値のある本物も出所があやふやな場合、持ち主が価値を判断するのは不可能。
低く買い叩かれても気づかずに終わることはある。
気づいた時には時すでに遅しという事例は多いんじゃないかな。
虎視眈々と一獲千金を狙う輩が跋扈する世界でもあるのだろう。
僕も気をつけないと・・・。
芸術品なんて何も持っていないけどね(笑)。
昨年の公開された「海の沈黙」とは全く異なるが、贋作がテーマなのは同じ。
こんな作品を観続けることで少しでも豊かな感性を持ち合わすようにしたい。
もちろん教養もね。