初めて予告編を観た時は「なんだ、学生の作る自主映画か・・・」という感想。
と同時に舞台が岐阜県関市であることに驚いた。
僕の実家は岐阜市だが、東に100メートル歩けば関市。

それに母親は関市出身。
小さい頃の買い物はほとんど関市だった。
初めて映画に行ったのも今はなき関市の映画館。
加えて主人公は山田一郎、ヒロインは吉田麻衣。
吉田は母親の旧姓。
何かと近い存在なので観ることとした。
舞台が知らない町なら観なかった可能性は高い。

本作はご当地映画の製作を命じられた関市役所職員の奮闘を描く。
正直、いかにも・・・という感じだが、むしろ好感が持てる。
市長役は清水ミチコ。
彼女は岐阜県出身だが高山市。
まあ、近いということで選ばれたのかな?

作品は関市が全面的にバックアップ。
商店街や企業も積極的にサポートしている。
関市を代表する企業も有名な鰻屋さんも僕が営業時代にお世話になった企業も協賛。
なんとその企業の社長はセリフまでもらい出演。

ここまで徹底したバリバリのご当地映画って、これまであったか。
単に美しく見せるだけならあるかもしれないが、怪獣が公舎を壊してしまうなんて・・・。
市長の描き方も過激なので、器の小さい市長なら激怒するんじゃないか。
その点で関市の寛容さというか、思い切ったチャレンジというか、その姿勢には感服。
ご当地映画の取り組み方だけでも話題になる。

東海地区中心の公開かと思ったが、どうやら全国で公開されているよう。
綾野剛がほんのわずかでも出演してくれたら、もっと話題になっただろうね。
主役山田一郎を演じたぐんぴぃは知らなかったが、
YouTubeでメチャクシャ人気のあるお笑いグループ。
相方もさりげなく映画に出演しており、このあたりもファンには嬉しいだろう。

SNSを通して本作がより話題となり、関市が更に注目されると相乗効果も生まれる。
大ヒットはしないし、優秀作としてベストテンに入ることもないが、
(スミマセン・・・)
作品が存在することがシアワセ。

これをキッカケに少しでも多くの人に関市へ来てもらいたい。
今は商店街も寂しいし・・・。
少しでも活性化になれば我がこととして嬉しい。