ボブディランは現在83歳。
どんな気持ちで本作を観たのだろうか。
あんな上目遣いの視線は送ってないぞとか。
もしかして、観ていない?
少なくとも本人に何らかの取材や協力依頼はあったと思うがどうなんだろう。
そのあたりの情報が載っていない・・・。
現役での伝記映画は珍しい。
「ボヘミアン・ラプソディー」でも「エルヴィス」でも没後に描かれている。
そういえば「エルヴィス」はまだ観ていない。
多少、美化されて映し出される面があると思うが、本作はどうだろうか。
ボブディラン本人は納得しているのかな?
彼がデビューした時、僕はまだ生まれていない。
洋楽にハマりだした中学生時代はビリージョエルやイーグルス、
REOスピードワゴンが好きで、ボブディランはひと昔のミュージシャンという印象。
後に功績を知ることになるが当時は聞いたことがなかった。
ちょくちょく耳にするのは最近かもしれない。
伝記映画として下積みの苦労が描かれていると思ったがそうではない。
ほとんど下積みはないし、売れるまでも苦労はしていないように思える。
デビュー前から才能をいかんなく発揮し周りは端から認めていた。
むしろ本人の予想以上の影響力に苦悩していたのではないか。
天才ゆえの悩みか。
だからこそ破壊者的な存在にもなっていったのか。
そんなふうに思わせる。
彼が売れ始めた1960年代前半はアメリカも混とんとした時代。
ケネディ大統領の暗殺など暗雲とした社会的背景が彼を求めたのだろう。
そんなことは僕が言わなくても分かっていることだが、
どんな時代も時代に相応しい名もなき者が現れる。
作品で流れる曲はボブディラン本人の音声を合わせたと思っていたがそうではなかった。
主役ティモシー・シャラメの演奏であり歌。
僕は素人ながらに見事だと感じた。
ついでにいえばジョーン・バエズ演じるモニカ・バルバロも本人。
とても美しい歌声。
いやいや、今どきの役者は凄いね。
2人のデュエットの写真を見る限りソックリだし。
と音楽に疎い者の見方だが、それだけでも観る価値はある。
残念ながらどの部門もアカデミー賞は叶わなかったが見応えのある作品。
改めてAmazonミュージックでボブディランを聴こうと思う。