かなり評価は難しい作品。
老女の人生を通し生きる上で大切なことを語っている気もするし、そうでない気もする。
深く深く考えると深い映画と捉えられるが、
何も考えずに観ると「で、なに?」となってしまう。

作者の意図はどこにあるのだろう。
深読みしたい気持ちもあるが、それだと映画を楽しめない。
所詮、人生はなるようにしかならないが、なるようにもなると・・・。
一歩踏み出す勇気と偶然の出会いを大切にしろとも受け取れる。
過去を振り返るなと言っているようにも思う。

本作は90歳を過ぎても第一線で活躍する草笛光子さんの草笛光子のための映画。
この年齢で主役を張るパワーはもちろんだが、映画を観る限り年齢の衰えは感じない。
普通に動けるしセリフも流暢。
まあ、主役だから当然か。

偶然、訪れた町のいわくつきの廃墟となったBARを復活させ、地域の方々との交流を描く。
ずかずかと遠慮もなく地域の人と繋がっていくが、なぜかみんな協力的。
年寄りだから優しいのか、不思議な魅力が伝わっているかは分からない。
敵に回す人たちもいるが構うことはなく、どんどんと突き進む。
そこは清々しいと感じるくらい。

そんな流れで無事にBARはオープンするが、それだけでは終わらず・・・。
といった流れ。
不思議なファンタジードラマという表現は適切だろう。

しかし、何かが足りない気がする。
最近の映画としては88分という短さで訴えきれなかったのか、
僕が出演者の意味を見いだせなかったのか、ぜひ、観て感想を聞かせて欲しい。
石田ひかりの必要性、ディーンフジオカのあの服装、
一体、どんな意味があるのだろうか。
モヤモヤが残ったのも事実だが、これも計算通りとなれば映画としては成功。

純粋に思ったのはあんな雰囲気の温かいBARに行ってみたい。
あの場所でぽつりと一軒建つBARでのんびりと飲んでみたい。

本作は入場口でこんなステッカーを配っていた。

ありがたく頂戴したが、どう使えばいいいのか。
これも教えて欲しい(笑)。