昨年観た「コヴェナント 約束の救出」もガイ・リッチー監督作品。
これはアフガニスタン紛争を題材にした作品。
本作は第二次世界大戦中の英国とナチス軍の争いを描く。
コヴェナントは社会派ドラマ的な要素もあるアクション映画だったが、本作も同じ。
ガイ・リッチー監督はこの類の作品を得意としているのか。

本作は実話がベースという。
それもチャーチル首相の下で非公式に結成された特殊部隊の戦いと解説されている。
加えて主役ガス・マーチは007ジェームズ・ボンドのモデルらしい。
あまり話題にはなっていないが、それだけで期待感が増すし映画通の興味もそそる。

そして、期待は裏切らない。
実話がベースと何度も頭に中で唱えなければ、
ハチャメチャな連中のやりたい放題の攻撃は単なるアクション映画。
もちろん過度な演出だろうし、あの人数であれだけのナチス軍に立ち向かうのは不可能。
フィクションの世界だから考えられる。
しかし、それがほぼ実話なら、とんでもない事実が隠されていたということ。

作品だけ捉えると英国が正義とは言い難い。
チャーチル首相は非難を浴びてもおかしくない作戦は無謀。
ナチス軍があんなにバッタバッタとやられると却って同情したくもなる。
ドイツ人が観たら、いくらなんでもやりすぎだと憤慨するかもしれない。
反対側の立場なら痛快で気持ちがいいだろう。

戦争映画は戦争の無意味さを訴えるのが理想だがそうならない。
ということは社会派ドラマと一切言わずアクション映画として観た方がいい。
まあ、007感覚で・・・。

本作の俳優陣は各々がエッジが立っていた。
そこも面白さの要因。
中でも輝いていたのが、マージョリーを演じたエイザ・ゴンザレス。
ナチス軍のルアー大佐をたぶらかす役だが、彼女がカッコよく魅力的。
その行動にはハラハラさせられるが、頭脳明晰で銃の扱いも見事。

ボンドガールに相応しいんじゃないの?
と思ってしまう。
いかん、最近の007は全く観ていない。
これを機会に観てみるか・・・。

ガイ・リッチー監督はテロップも音楽も独特。
まるで西部劇を観ているような感覚に陥る。
これも作戦だったりして。