日本ファミリービジネスアドバイザー協会の西川理事長が
推薦書として活用するという話を伺い手に取った一冊。
創業者と二代目社長との確執を描いた書籍かと思ったが、
どちらかといえばマーケティングの要素が強い。
親子間のトラブルはなくはないが、
大塚家具やロッテのような修復不可能な状態ではなくあくまでも健全な親子ゲンカ。
お互い信頼し合える関係性は二代目社長の厳しい言葉からでも推測できる。
あまりにも強い創業者を持つと跡を継ぐ者はとてつもないプレッシャーを伴う。
今後、ファーストリテイリングやソフトバンクはどうなっていくのだろうか。
不安でもあるが楽しみでもある。
ファミリービジネスを維持するのか、まったく違う形態にしていくのか・・・。
日清食品といえば学生の就職人気ランキングの上位にも顔を出す企業。
存在もとても身近だ。
最近、インスタントラーメンを食べることは少ないが、
時折、無性にカップヌードルを食べたくなることもある。
メチャクチャ美味しいわけではない。チープさも感じたりはする。
しかし、それがロングセラー商品になるにはいいようだ。
創業者安藤百福氏いわく、美味しすぎるとすぐ飽きられていまい長続きしないという。
会社の近くのコンビニを気をつけて覗いてきた。
ビジネスマンが多く利用する背景もありインスタント食品が多数並べられている。
カップラーメンも半端ない種類が揃えられている。
その半分は日清食品の製品ではないだろうか。
定番のカップヌードルやどん兵衛を始め、見たことも聞いたこともないような商品も並んでいる。
多くはブームともに去っていくのだろうが、その商品力、マーケティング力はさすが。
本書にもトムヤンクンのカップヌードルのことが書かれているが、
発行が2009年なのでタイでヒットした後に日本に持ち込まれているのだろう。
(業界内では当たり前の話かな?)
CMもとてもユニークだ。今のカップヌードルのCMとミスチルが歌っていた時のCMでは
とても同じ商品とは思えない。
時代とともにメッセージを大きく変えている。
その勇気だけでも凄いと感じるし、トップの潔い決断には感服する。
二代目は凡能だといわれるが故の力の出し方なのかもしれない。
創業の精神を維持しながら、時代とともに商品開発を行い、自社の強みを活かし常に変化させていく。
定番商品の継続性も重要視している。
ファミリービジネスと手本とすべき企業が日清食品ともいえる。
そんなことを感じたりした。
たまには新製品でも食べてみるか。
これもファミリービジネスアドバイザーの役割として。
ちょっと違うかな・・・(笑)