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正式なタイトルは「日本一幸せな従業員をつくる!ホテルアソシア名古屋ターミナルの挑戦」。
赤字にあえいでいたホテルを建て直し、
そのホテルが閉館されるまでを描いたドキュメンタリー映画。
映画館での一般公開ではなく、様々な会場での上映会で公開されていた。
昨年から何度となくお誘い頂たりしたが、
先日「あいち国際女性映画祭」で、ようやく観る機会を頂いた。

この映画の主役にあたるのは総支配人の柴田秋雄氏。
以前、講演を拝聴し感銘を受けた。その時のブログはこちら

鉄道会社の労働組合から52歳の時に送り込まれ、ホテルの再建を託される。
その時、ホテルは4期連続赤字と最悪の経営状態。
従業員を第一に考え、その従業員の扱い方、役割、制度を大きく変え、
最終的には日本で最も愛されるホテルに育て上げた。
そのホテルが名古屋駅前の再開発に伴い、閉館されることとなり、
最後の数日間を追っかけたのがドキュメンタリーの内容。
ストーリーは簡単に言ってしまえばそんなこと。

名古屋で仕事をされる方にとっては周知の事実かもしれないが、
それは映画が話題になってからの事ではないだろうか。
少なくとも僕は閉館までのホテルの実態は知らなかった。
これだけ長い間、名古屋で仕事をしているのに・・・。
1階のカフェにも何度となくお邪魔しているのに・・・。
まだまだですね(苦笑)。

このドキュメンタリーは総支配人を中心にホテルを支えるスタッフとの熱い信頼関係や
日々繰り広げられるお客様とのやりとり、
そして、閉館までの数日が感動的に描かれている。
その映像は涙を誘うだろうし、仕事の素晴らしさも伝えてくれる。
それだけで十分だ思うが、僕はどうしてもトップの立場として、
柴田氏の発言や行動を注意深く見てしまう。

あんな態度を従業員の前でストレートに示せるだろうか。
あのような人事を断行できるだろうか。
あれだけ熱い想いを持って接しているだろうか。
そんな風に自分と比較しながら映画を観てしまう。

勇気と照れと情熱は柴田氏に比べ、全然足りない。
”日本一幸せな従業員をつくる”というのは簡単だが、
それを実際の行動に落とし込むのは難しい。
目の前には売上、利益が常にあり、その想いとズレることも多いはず。
まだまだ未熟な僕もその間を彷徨っている。

しかし、この映画は明確に教えてくれる。
どうすれば会社が良くなるかを。
(ここではホテルだけど・・・)
どんな業態でも通用することだとは思う。

また、理不尽で悲しいのはどれだけ順調に物事が運んでも、
外部環境一つで全てが吹き飛んでしまうこと。
自分たちの努力だけではどうにもならないのはやるせない。
ホテルに関わった人は感謝の気持ちがあるとはいえ、無念でならない面もあるだろう。
誇りだけは忘れないでほしいと思う。

大きな会場でドキュメンタリー映画を観ることは滅多にないが、たまにこんな場も大切。
習字を習おうかなと思ってしまったし・・・(笑)。

貴重な機会を頂き、ありがとうございました。