toyota15111

著者の志賀内さんはやはりトヨタの回し者ではないかと思ってしまう(笑)。
前作「レクサス星が丘の奇跡」もレクサス星が丘店のいい宣伝になっていたし・・・。
あれのせいで僕もお店の前を通る時はかなり気にしているし、
レクサスを買おうかなんて本気で考えたりした。
実際にそんな読者もいたんじゃないだろうか。

本書ではトヨタ・スピリッツともいうべき5章7つのエピソードについて書かれている。
僕らが普段の生活では知る由もない開発の裏側だったり、
新規事業への挑戦だったり、顧客満足を追求する営業手法だったりと、
トヨタの魅力あふれる苦労話があちこちに溢れている。

カーナビが1980年代後半からあったなんて全然知らなかった。
その画像は今から思えばちゃっちくて仕方ないが、
世の中に初めて何かを生み出す瞬間はきっとそんなことだろうと思わせる。

その技術があったからこそ、より便利で使いやすい製品へと進化していく。
同じようなことをドラマ「下町ロケット」で佃社長が裁判所で訴えかけていたような気がするな(笑)。
今話題になっている「MIRAI」にしても超文系人間の僕には理解しがたい面は多いが、
その情熱だけはヒシヒシと伝わってくるし、仕事への魂を感じる。
(タイトルそのまんまですね・・・笑)。

そんな中で僕が一番響いたのはレクサスNo.1セールスマンの章。
営業出身だから共感できる面も多いし、自社へオーバーラップさせることもできる。
ここに書かれてあることを早速社内にも取り入れようとも考えている。
目新しいことが書かれているわけではないが、
「当たり前」のことを徹底して行うことが顧客満足に繋がり、結果として売り上げも伸びていく。
凡事徹底なんだよね。
もっと足元を見て全員が仕事をしていかないといけないことを痛感。
僕がそれだけではダメだけどね(笑)。

僕が本書の中でもう一つ響いたこと。
三年に一度、全社員を海外旅行に連れて行ったんですが、
たまたま、その年にリーマンショックが起きてしまいました。
六割減産です。部長会で「海外旅行は取りやめにしよう」と決まって報告がありました。
でも、私は「行ってきなさい」と言いました。
すると社員は安心するんですね。みんなが不安になっている時、大きく構えること。
これも愛社精神を生むことに繋がります。

経営者は器が大きくなければならない。
いざというとき覚悟をもって、それでも余裕な顔をして臨まなければならない。
僕もそんなことを身につけなければならない。
そんなことを感じた一文。

メイダイシャ・スピリッツを持って、臨んでいこうじゃないか・・・。