このシリーズを読んでいると人として大切なことを思いださせてくれる。
僕の毎日は会社が中心に回っていて、何よりも最優先である。
それは間違っていないし、そうすべきだと思っている。
しかし、そんな毎日を過ごしていると肝心なものを失くしていくような気もしている。
決して儲けることばかり考えているわけではないが、
どうすれば会社は成長するのか、人を育てるには何をすべきか、
どんな戦略がこれからは必要になってくるのか、そんな事ばかり考えている。
それは常に何かを追いかけている状態ともいえるだろう。
本書の帯にも
”追いかけるから、苦しくなる。
追いかけるから、負ける。
追いかけるから、捨てられる。
人はすべて、一人で生まれ、一人で去っていく生き物である。
失ったものは帰ってこない。”
当たり前のことだが、言われないと忘れ去り、気づかないまま過ごす毎日となってしまう。
資本の論理からかけ外れ、自由気ままに生きているように見える著者だが、
生きる上での責任は常に持ち合わせ、周りに向き合っている。
視点もはるかに高い。
ビジネス以外の大切なものを教えてもらっているような感覚。
だからこそ体が欲して、このシリーズに手が伸びてしまうのだろう。
本書の中に
“便利なものには毒がある。手間がかかるものには良薬が隠されている。”
という一文がある。
何かと便利な生活を求める身に対してのまっとうな考えだ。
肝にも銘じなければならない。
著者とお酒を酌み交わす機会はないだろうが、
(当たり前です。あると嬉しいけど・・・)
もし、そんなシーンがあったりするときっと言われるだろう。
「男が美味いとか、なかなかやるじゃないかとか、言うんじゃない。おまえはバカか!」
ありがたく説教も受けてみたい。
「あれは役割でやっているだけなんです・・・。」
「おまえはバカか、男は言い訳しないものだ。」
と一蹴されるだろうけど・・・。