愚か者だから「愚か者」を読んだわけではない。
今から15年近く前に「すべては一杯のコーヒーから」を夢中で読んだ。
30代半ばの頃は起業を意識していたこともあり、その成功者の著書を結構読んでいた。
その松田氏の成功ストーリーに憧憬を抱いていた。
確かタリーズコーヒーの名古屋初出店はセントラルパークじゃないだろうか。
何となく意識しながら行っていた記憶がある。
しかし、時間が経過するうちに松田氏への意識も減少し、気づいた時には国会議員になっていた。
そのため本書を読んで初めて知ることも多かった。
波乱万丈の人生である。運がいいとも言えるし、運が悪いとも言える。
書かれている内容を素直に受け取れば、いい出会いとそうではない難しい出会いとの繰り返し。
どう解釈するかで変わってくるが、人に裏切られることも多い。
誤解を恐れずに言えば、それも本人が導いたこと。
著者も気づかないうちに人に恨まれたり、傷をつけていたのかもしれない。
だが、本書ではあくまでも自己肯定。
僕はそれを否定しているのではなく、そんな見方で一つひとつの事をクリアしていく
行動力は筋が通っていると思う。
それがとても面白い。
経営者から政治家に転身し、現在もその真っ最中。
その活躍ぶりはマスコミによりいろんな報道はされているが、僕自身は肯定的にみている。
政治には詳しくないし、支持政党があるわけでもないので、
こういった政治家らしくない政治家に期待したい面も強い。
選挙のためだけに活動するのではなく、
シンプルな目標に向かう姿勢が気持ちよく、共感が持てるに過ぎない。
松田氏は本書の中で自分が「愚か者」であることも何度も表現をしているが、
それが正しい愚か者であるならば、一体僕はどんな愚か者になるのだろうか。
どうやら愚か者は正義に立ち向かう存在らしい。
そんな風にさえ思ってしまうし、愚か者を名乗るあちこちの人たちは僕を含め大いに反省を求められる。
(何のこっちゃという話ですね・・・笑)。
ここに書かれてある事が真実だとすれば、僕は松田氏を更に尊敬するし応援もしたいと思う。
僕たちに欠けてる力を持ち、大きな権力にも堂々と立ち向かっていく。
自分の小ささを痛感してしまう。
著者は僕よりも2歳下だが、ほぼ同世代。
こんな人物がこれからの日本を背負っていくことになるのだろう。
頑張っているつもりの僕は未熟者でしかない。
愚か者を返上し、未熟者の称号を頂くことが必要かも・・・。
見た目もカッコよく頭もいいので嫉妬してしまうが、
こんな存在が僕たちに勇気とヤル気を与えてくれる。
愚か者と呼ばれる方の必読書になってもいい。
いろんな立場の愚か者を知ることで、さらに上を目指す愚か者になっていきたい。
(なんのこっちゃ・・・笑)