kame1602

なんだろう、この感覚。
秀作と呼ばれるような作品でもない。
コメディー映画とも違う。
70年代の映画にあった哀愁も香るし、90年代後半の諦め感も感じる。
どう表現すればいいのかわからない。
昭和と平成が入り混じった感じ。

でもなんかいい。この体から力が抜けていく感覚がとても心地よい。
それは主役亀岡拓次演じる安田顕さんの「すんません・・」と謝ってばかりの演技もあれば、
いきなりスナックで神戸浩さんが登場するシチュエーションが僕をそんな方向に導く。
脇を固める大物俳優の存在も大きい。
三田佳子さんの迫力は「Wの悲劇」を思い出してしまった。
随分、年は取ったけど・・・(笑)。

ストーリーはたわいもないので、あえてブログでは説明しない。
評価も二分され、超エンターテイメント娯楽映画を好まれる方にはきっとウケないだろう。
僕のようにノー天気だけど傷つきやすいタイプ(?)には合うのかもしれない(笑)。

安田顕さんの存在を認識したのはドラマ「下町ロケット」。
どこかで見たことある俳優さん程度だったが、あのドラマでの演技はとても良かった。
昨年観た映画「龍三と七人の子分たち」でも重要な脇役で出演されていたが、
その時は意識していなかった。
本作を観てどんな役でもこなす貴重な役者さんであることは僕が言うまでもない。
これからもっと引っ張りだこになっていくんだろうなあ~。

個人的な不満をいえば、麻生久美子さんの出番が少ないこと。
麻生さん演じる居酒屋の娘さんとの恋模様が描いた映画なので、
もっと絡みのシーンがあるかと期待していたのだが、意外と少なくて残念。
しかし、出番は少ないとはいえ、あんな感じで接客されたら、男はコロッといく。
いやあ~、魅力的。
大人の雰囲気を醸し出しながら可愛らしさも伝わってくるので、参ってしまう。

一人で飲みに行くことは滅多にはないが、あんな居酒屋があったら通ってしまうかも。
たこぶつを食べながら、熱燗をお酌してもらうなんて、最高に幸せじゃないか。
いかん、いかん、妄想が・・・(笑)。

僕が亀岡拓次になることはあり得ないが、あんな人生も案外悪くない。
きっと後悔ばかりの日々になるだろうが、案外悪くない。
すんません・・・。