最近、何かと騒がしい。
先週のセブン&アイ・ホールディングス鈴木会長の突然の引退も世間を騒がせた。
あまりにも強いカリスマは身の引き方も難しい。
さらに難しいのがリーダーシップのあり方。
鈴木会長の実績は言うまでもないが、
後継者を育成すべきリーダーシップはどこまで持ち合わせてたのだろうか。
僕のような未熟な経営者が語るべきではないが、
あの年齢まで続けてしまうのは正しいのだろうか。
企業は人で成り立っている以上、どう組織をまとめるか、どんな人事を行うかが重要。
その中でどうリーダーシップを発揮するかで、会社なんてコロッと変わってしまう。
それは会社の大小は関係ない。
うちのような小さな会社であっても簡単な事なんてひとつもない。
本書もまさにこれに当てはまる。
液晶事業への巨大投資が今のシャープの騒がしさの原因だが、
権力者による人事抗争も大きな要素。
本書を読むまで表面的な人事しか知らなかったが、
こんな道で企業が崩壊していくのだとよく理解できた。
しかし、この手の話って、よく耳にしたり。
ビジネス小説でもありそうだったり・・・。
会社がダメになっていくパターンって、そんなに多くないのだと思う。
今回のシャープの一連の流れもレアなケースではなく、ありがちなケースじゃないのかな。
他人の事は無責任に言えてしまう。
自分が当事者だとそんな客観視はできないだろうけど・・・(苦笑)。
ここにも企業内における権力抗争が描かれているが、大きな問題はリーダーシップのあり方。
強すぎるリーダーは権力を持ち過ぎワンマンに陥る。
弱いリーダーは決断ができず求心力が下がる。
本書にはシャープの歴代の経営者の人間性が書かれているが、
それを読むだけでもリーダーシップ研修を受けているよう。
ケーススタディとしては怖すぎるが・・・。
本書は今年の2月までの事が描かれている。
鴻海(ホンハイ)に買収されるのか、
産業革新機構の出資を受け国有化になるのか、ここで終わる。
結果はニュースの通り。
先週の日経に掲載されていた記事「シャープの選択」は続編なのだろう。
そこには「俺たちは外資系なんだぜ。」なんて皮肉っぽく書かれている。
これから一体どうなるんだろう。
10年後、笑い話として語られるのか、
シャープなんていう会社があったな、なんて懐かしく思われるのか。
僕には分からない。
自分たちがそんな存在にならないよう反面教師としてみるしかない。