何度も映画館で予告編を見せつけられた。
何となくストーリーは読めた気がするが、何度となく観るうちに、
またディカプリオがオスカー受賞を報告を聞きた段階で、
これは観なければと思ってしまった。
実に単純なストーリー。
少し前に観た「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の難解さとは比較にならない。
言い方は悪いが、ただの復讐劇である。
息子を殺された父親の壮絶な生き様を表しているだけ。
しかし、2時間半を越える上映時間は全く気にならない。
のしかかる映像の迫力が映画館全体を緊張感で覆っていた。
両隣りの席が空いていたから良かったが、
時々「うわっ」とか「お~っ」というようなため息にも似た声が自然と出てしまった。
今年観た映画の中では(まだ10本目ですが)、一番面白かった。
あくまでも現時点で・・・。
ディカプリオ扮するグラスの熊との格闘シーンはCGだと思うが、
それ以外はほぼ自然のあるがままを撮影しているのだろう。
あの極寒の風景を観ているだけで、こちらまで寒気が及んでくる。
魚を鷲掴みにして食べるシーン、
馬の死体を寝袋(?)代わりにするシーン、
熊に引きずられるシーン、
傷だらけの身体を火で消毒するシーン、
目を覆いたくなるが見逃せないシーンが鮮明に記憶に残る。
僕の友人はあの環境だと3分しか生きられないと言っていた。
僕は映画を観ながら、半日しか生き残れないなと感じていた。
少しだけ僕の方が長生き(笑)。
凄まじい生命力だった。
子を想う親はここまで強くなれるのか。
とため息に似た声は完全にため息に変わった。
僕は特にディカプリオが好きなわけではない。
いくつか作品は観ているが、大きく印象が残っていたわけではない。
しかし、本作は違う。
これだけ迫力ある演技は初めて観た。
それだけでも感動もの。
今回はいつもに比べ真面目に書いた映評ブログ。
(そうでもない?)
次回は真面目に書く日本映画に出会ってみたい。