最近、過酷な自然を生き抜く映画に巡り合っている。
「レヴェナント: 蘇えりし者」は復讐するために生き抜いたが、
本作は愛する人と寄り添うために生き抜く。
こんな映画ばっかり観ている(笑)。
好んで選んだわけではないが、理由はあるはず。
自分でも気づかないうちにより危機感の先にある未来を選択しようとしているのかもしれない。
(意味不明な表現だな・・・)
結局、人間なんて小さな存在は自然の中で学ぶしかない。
マシュー・マコノヒー扮する主役アーサーもそれ。
愛する奥さんを思いもよらないかたちで亡くし、
過去の自分の振る舞いに後悔の念を駆られている。
その夫婦の描き方は特別でもなく、ありふれた世界ともいえる。
多かれ少なかれ長い夫婦生活を過ごしていれば、こんなケースは訪れる。
それは我が家もでも考えられること。
些細なことで諍いも起きるだろう。
そう考えると他人事とは思えなかったり・・・。
この映画を観て、自省する男性諸君は多いのではないのかな。
こんな表現をするとチープな感じになってしまうが、そうではない。
自然と対峙しながら、これまでの人生と愛する人との時間を振り返る。
どんな生き方をしようと後悔しか生まれてこないのだろうか。
それは幸せな瞬間を重ねていてもである。
映画を観終わった後、嫁さんをもっと大切にしなければ、
感謝しなければと思ってしまった。
自分勝手な男性諸君、観るべきですよ(笑)。
登場人物はほぼ3名。
スケールも大きいとは言えない。
しかし、世界は勝手に広がっていく。
人が生きていく上で大切なことを教えてくれる。
しみじみと観るべき映画である。
本作の舞台は日本。富士山のふもとの青木ヶ原。
アーサーはアメリカから日本へ向かう。
新幹線にもタクシーにも乗る。
生活に馴染みがあると違和感を感じてしまうシーンがある。
新幹線ではお互い知らない者同士が向かい合って座ることはない。
また、タクシーも右側のドアを自分で開けることはない。
小さなことだが、気になってしまった。
こんなことも映画を観るから楽しめること。
GW休暇中の朝一の上映で観たわけだが、お客さんは僕ともう一人だけ。
二人で映画館を占有していた。
多分、興行成績は厳しいと思う。
それが理由ではないが、世の男性諸氏は観た方がいい。
配偶者を大切にした方がいいと・・・。