今月の「日経トップリーダー」はなかなか刺激的だ。
「経営トップの”美しい”引き際」という特集と
もう一つがタイトルにある特集。
”美しい”引き際については、例のセブン&アイ鈴木会長の件。
これについては僕なりの考え方と緊急アンケートの結果と近い。
中小企業のオーナーに実施されたアンケートでは、今回の突然の引退に対して、
「後継者を育て、もっと早くトップの座を譲っておくべきだった」という意見が圧倒的。
簡単な事情ではないとはいえ、僕も同意見。
カリスマの存在が長引けば長引くほど引き際は難しくなるはず。
そして、後を継ぐ者はより辛くなるはず。
なんだか大空電機みたいだな・・・(笑)。
社長が高齢化が進むにつれ交代は難しくなる。
僕のわずかな経験からも言えること。
アンケートでは65歳~70歳が譲る時期として最も高かったが、
僕はもう少し早くてもいいと思う。
あくまでも個人的意見だけど。
この特集では引き際を考えるべき10の兆候が述べられている。
なるほど・・・。
あえてここでは紹介しないが、納得できるものばかり。
そして、もう一つの特集がタイトルにもある「中小企業を襲う社員の不正」。
龍角散の事例を始め、いくつかの不正事件を紹介している。
そのほとんどが内部犯罪だ。
日本国内では、勤務年数10年以上の41歳~50歳の男性、中間及び上級管理職が多いという。
3つの条件を満たすと不正に手を染めやすいらしい。
「機会を熟知」
「丸投げの信頼を得ている」
「自分の行為の正当化できる」
これが3つの不正トラップ。
確かにいくら信頼がおける誠実な人でも、
この条件が揃うと誘惑に負けてしまうケースも多いようだ。
人間誰もが持つ本質的弱さなのだと言われる。
経営者にも性善説で考える者と性悪説で考える者と2種類あるだろう。
僕は社内は性善説に基づいて全ての行為を行っている。
それ自体間違ってはいないと思うが、
不正防止のための対策は念には念を入れた方がよさそうだ。
この特集でもその手法を取り上げている。
中身を読んでみると既に取り入れているものがほとんど。
会社の仕組みとして成立しているわけだ。
しかし、今後、外部からのアタックを含め、常に策を練っておくべき。
これができるのはトップしかいないと思うし・・・。
僕の立場だから勝手なことが言えるわけだが、
いかに個人主体ではなく会社主体で物事を考えることができれば、不正なんて起きようがない。
かなり難しいことだとは思うが、無理なことでもない。
それが理想に近づくことでもあるだろう。
会社は生き物なので、今正しいと思うことがずっと続くわけではない。
ふと、気が緩んだ瞬間、すべてが崩れ落ちることもある。
中小企業の場合、どんな原因もトップの責任。
いや、トップが原因となる。
引き際であろうと不正であろうと自分次第ということを肝に銘じなければならない。