先週はトーマツイノベーション主催のセミナーに参加。
ローランド・ベルガー会長の遠藤功氏の講演「現場力を鍛える」を拝聴した。
遠藤氏の著書は「現場力を鍛える」が有名だが、僕は読んだことがない。
少し前に「経営戦略の教科書」を読んだが、それほど感銘は受けなかった。
大変失礼な言い方になってしまうが、
すでに理解していることばかりで目新しさを感じなかったのだ。
ブログにも取り上げなかった。
すいません。
大してできてないくせに生意気なことを言って・・・。
経営戦略を学ぶ前なら、もっと感動したとは思うけど・・・。
すいません。
今回、初めて直接話を伺ったのだが、
とても理解しやすく、その話しぶりも大変勉強になった。
結論から言えば、現場の感度を活かす企業が「微差力」を生み、
継続し積み重ねることで決定的なビジネスの差を生むという。
そのためにはまず大戦略(グランド・ストラテジー)を描く必要がある。
個別の戦略では意味がなく上位の戦略。
そもそもそれができていないじゃないか・・・と反省(苦笑)。
そして、自立分散型組織への転換が現場力を活かすことになる。
スーパーのイオンやイトーヨーカ堂の本部主義(管理中心)と
ヤオコー、オオゼキの個店主義(個々で考える)の例が分かりやすかった。
スーパー市場が縮小する中で、伸びているところとそうでないところの違い。
あくまでも一つの例に過ぎないが、多くの業界でいえること。
そこに「闘う集団」として戦闘能力を強化する。
これが今の経営において大切で、現場力の重要性を明確にしていた。
現場力を有効的に活かした例として、加茂水族館や
JR東日本テクノハートTESSEIを挙げられたが、こちらは単純に面白く参考になった。
現場力を鍛えるにはエンパワーメントも大事だが、それだけでは機能しない。
「現場の感度」を引き出す「本社の感度」が重要。
現場から力を発揮するのはボトムアップの世界だが、
そこに至るための政策はある意味トップダウン。
トップが現場に耳を傾けるための力量と支援が必要。
まだまだできているようでできていないことが多い。
現場のアイデアを簡単に否定してしまうのも問題。
これば僕自身の問題として捉えねばならない。
僕も営業を離れ随分と経つ。
徐々に現場のことに対して鈍くなっているのも事実。
自分ではその感覚がなくなるのは怖くて仕方ない。
かといって、今、営業に戻るのもナンセンス。
いわゆる「本社の感度」というものをどう鍛えるかが求められている。
「現場力を鍛える」ためにトップがやるべきことは多そうだ。