観終わった後、かなりくたびれた。
それだけ映画に集中していたのと親子の絆が辛い場面でしか理解できなかったのが大きい。
この映画の評価は分かれると思う。
傑作か駄作かということではない。
ハッピーエンドの映画かそうでない映画かということ。
僕は多分圧倒的に少ないハッピーエンドに一票を投じる。
それは最後の最後に感じただけで、観る者によって感じ方は異なる。
それでいいと思う。
映画は思いもよらない展開へと進んでいく。
まだ観ていない方のためにストーリーに関しては一切触れないようにしたいが、
お互いのエゴがぶつかり合うのが前編、後編通していえること。
それが問題をややこやしくさせる。
客観的な行動を描きながらも、結局のところ主観が勝り問題を大きくする。
それは被害者も加害者も同様。
理屈では分かっていてもその通りにはならない。
それが本作品見どころともいえる。
正義だけでは問題解決は難しく、そこには倫理が伴うことが必要。
この面倒な人間関係を第三者的に捉えるとそんなふうに思ってしまう。
前編でのブログでも書いたが、僕は原作を読んでいない。
以前ドラマ化もされたようだが、それも観ていない。
比較して観ると原作者や監督、脚本家が最も言いたいことが理解できるのかもしれない。
原作を読む時間はないかもしれないけど、ドラマは一度観てみようかな。
とても興味はそそられる。
相変わらず主役の佐藤浩市氏は熱い。
論理と感情を併せ持つ。
場合によっては組織にはとても面倒な存在。
しかし、それが人間らしくていい。
また、そうじゃなきゃいけないとも思う。
一点だけ腑に落ちなかったこと。
ネタバレになるので詳細は書かないが、親子関係に対する疑問。
親が子供を想う気持ちは基本、共通だと思う。
しかし、子供を殺める犯罪者も同様なのだろうか。
そのあたりのことは僕には分からない。
他人だから関係ないとはいえないんじゃないかな。
人間性じゃないかとも思ってしまう・・・。
僕と同世代の俳優陣がどっぷりといい演技をするのは嬉しい。
日本映画を支える貴重な存在。
時代背景を見れば当然といえるが、その存在感を今後も出し続けてもらいたい。
いい意味で前編、後編に付き合わされた。
それには満足していると言っていい。