これは戦争映画。
それも社会派戦争映画だというのが観終わった後の感想。
ゴジラの存在が日本を攻撃してくる某国を表しているんじゃないかと勝手に錯覚してしまった。
少し前に読んだ「カエルの楽園」に似ているとも言っていい。
実際は全く似ても似つかない内容だが、訴えたいことは近いのではないだろうか。
現代の日本の在り方、政治家の使命と課題、米国との関係性。
それぞれが混じり合い浮き彫りになったような気がしたのは僕だけだろうか・・・。
こんなふうに書くと小難しい根暗な映画かと思われてしまうが、そうではない。
単純に楽しむことができる。
最初に登場するゴジラの顔はそのイメージを完全にぶち壊すし、
自分が知っている東京の街が次から次へと破壊されるシーンにリアルさを感じないわけではない。
それが妙な恐ろしさとなり、娯楽映画として醍醐味を味わうことになる。
ゴジラの登場しないシーンでも、ダレることなく緊張感が保たれている。
また、出演する俳優陣がユニークだ。
友情出演とか特別出演で有名な俳優がワンシーンだけ登場するのはよくあるパターンだが、
本作では随所にみられる。
それもこの作品は犬童一心や塚本晋也、原一男など映画監督が役者で出演している。
分からない人には全く分からない力の入れようだ(笑)。
僕も最後のテロップで知っただけだけど・・・。
そして、感傷的なシーンが極力カットされ、お涙頂戴と思わせるシーンがないのもいい。
重大な決断をする日本の総理大臣がいとも簡単に亡くなってしまうのだ。
(あっ、ネタバレ。これくらい、いいか・・・)
それほど「ゴジラ」に関心のない僕は、もし映画館で予告編を観ていなかったら、
本作は観なかったかもしれない。
それだけインパクトの強く、興味をそそられる予告編だった。
いい意味で乗っけられた。
今でも分からないのが「シン・ゴジラ」の「シン」。
「新・ゴジラ」なのか「真・ゴジラ」なのか「神・ゴジラ」なのか・・・。
誰か教えて欲しい。