原作を読んだのは3年半前。
随分、遠い過去のような気がする。
本の中身もすっかり忘れてしまった。
当時のブログを読み返しても、何の参考にもならない(笑)。
そのため、どこまで映画が原作に忠実かはあいまいのままだ。
ただ僕はその当時、大学や人事担当者向けの講演でこんなスライドを使っていた。
この感覚は映画でも変わらない。
漠然とした不安感が映画全体を覆っていたのは原作と同じ。
現代の若者の姿を巧みに映画も描いていたのだと思う。
それは僕が思うということで、本当にそうかはわからない。
映画で描かれる就職活動の姿はある意味リアルで、僕らが日々接している学生像に近い。
リクルートさんの協力を仰いでいるせいか、そのあたりにズレはない。
しかし、現実の就職活動は毎年のように環境が変わる。
映画で描かれる世界は昨年(2015年)を表現している。
原作は2011年か2012年を描いているはずだ。
このわずか3年の間に学生の置かれる外部環境は大きく変わり、
それに伴い学生の行動や思考も変化している。
2015年はかなりの売り手市場になっているため、選考の難易度は描かれている世界と微妙に違う。
業界人っぽく、その点だけを捉えていえば、
外部環境の好転により悩みの種類も変わってくるんだよね。
なんかイヤな奴ですね・・・(笑)。
しかし、そんな些細な指摘は本質ではないだろう。
今、若者が抱えるホンネとタテマエの使い分けの難しさ。
SNSが生活の一部になることにより、その呪縛から逃れられない現実は恐ろしい。
僕のような人からどう思われようがどうでもよくなったオジサンは不感症になり、
この若者たちに付いていくのは難しい。
しかし、自分の学生時代とオーバーーラップさせれば、少なからず近い面はあったのかと思う。
半径5メートルが気になって仕方がない現実。
情報伝達手段が限られていた分、鈍感にならざる得ないが、
きっと世代的には共感すべき点はあるのだと思う。
だから、映画を観ながら、妙にしんみりしてしまったのかもしれない。
僕は原作を読んでいたので、あまり本作を観るつもりはなかった。
原作でお腹いっぱいの状態だった。
(中身を完全に忘れているくせに・・・笑)。
映画のメッセージも予告編から何となく窺えた。
しかし、観てしまった。
そして、観てよかったと思う。
こんな感情を持っていることや理解することがいくつになっても必要かと・・・。
悩むことが若者の特権なのだ。
この映画を観て、就職活動に嫌気がさしたらどうすればいいか。
それは直接、聞いてもらいたい。
解決方法を伝授して差し上げよう。
あくまでも学生限定で・・・(笑)