俳優 菅原文太さんが逝った。
世間一般に菅原文太さんの代表作と言えば「仁義なき戦い」であり「トラック野郎」だ。
昨日のニュースもこれらの作品を取り上げていた。
しかし、一部のマニアでは(それってうちらだけ?)
ドラマ「ハゲタカ」における大空電機大木昇三郎会長の存在である。
全6話のうち1話しか出演していないにも関わらず、
圧倒的なインパクトでドラマ全体を引っ張っている。
NHKのニュースでこの作品を取り上げないなんて、何という愚かなことだ(苦笑)。
若い時代のヤンチャな演技とは違い、
古き良き日本を代表するカリスマ経営者を見事に演じ切っている。
名著「大木流経営論」は今でも僕たちの宝物のひとつだ。
ドラマの中でも大木会長の名セリフは数知れない。
「君がホライズンの鷲津君とやらか」
「流した血を汲み取ってやれるのか」
「やり直したいなら、何もやらないことだよ」
と今でも、そのシーンが目に浮かぶ。
ドラマを知らない方には、何のことかさっぱり分からないかもしれないが、
このセリフの一言一言が僕らボンクラ経営者の胸に響く。
結局、大木会長は株主総会を前に亡くなってしまうのだが、
その姿が昨日の菅原文太さんの死去の報道とダブる。
ドラマでは最終的に大木会長の魂を主役の鷲津が守り抜く。
素晴らしいドラマだった。傑作だっだ。
菅原文太さんの演技が一役担っているのも間違いではない。
歳を重ねることで演技の幅が広がり、人間としての深さを醸し出される役者はそう多くない。
大木会長、永遠に・・・。
菅原文太さん、ご冥福をお祈りします。