この類の書籍は定期的に読むようにしている。
成功物語ではなく失敗物語。
読んでいて決して気持ちのいいものではない。
とてもイヤな気分になるのも事実。
しかし、僕の中では定期的に読まなければと思っている。
それは簡単な理由。
いつ何時、自分も同じ状況に陥るか分からない。
今は健全な状態でも道を踏み外す可能性はある。
僕は完璧な人間ではない。
どちらかといえば弱い面が多い。
となると反面教師の要素を含め、この類の存在が必要となる。
ここに登場する東芝もオリンパスも石橋産業も客観的にみれば、愚かなのは一目瞭然。
経営者という立場以前に一人の人間として犯してはならない過ちがほとんど。
頭では理解できる。
倫理観が欠如しているといってしまえばそれまで。
しかし、当事者になると解釈が勝手に変化していく。
自分の都合のいい解釈となり、いつのまにか普通のことになってしまう。
それがマズいと気づいた時は手遅れでどうにもならない状態。
最悪の事態は会社の存在も消してしまう。
事業が上手くいかず倒産に追い込まれるのは経営者の能力不足。
同じ能力不足でも不正を働き場外に追い出されるのであれば、
まだ事業が上手くいかず追い出される方がまだまし。
その両方ともならないようにするのが必須だけど・・・。
本書では加害者のケースばかりではない。
被害者というべきケースもある。
同情しないわけではないが、それもトップの責任であるのは間違いない。
ここも僕は注意せねばならない。
巻末に「事件(問題)を起こしやすい会社」の特徴が書かれている。
①上司にごまをする能力しかない縁故(コネ)入社の社員ばかりが出世する
②創業一族が大株主としていつまでも経営権を手放そうとしない
③創業者一族以外の特定の人物が長期間トップに君臨し、ポストを譲らない
④創業者または「中興の祖」と呼ばれる人物がいつまでも影響力を持ち続ける
⑤トップが周囲の助言に聞く耳を持たず、自分の過去の成功体験ばかり自慢する
⑥特定の学閥、派閥だけが優遇される
⑦正規雇用の社員と非正規雇用の社員の待遇格差が大きい
なるほど。すべて正しいとは思わないが、納得感もある。
うちの会社が当てはまるとすれば③だけかな。
それは僕が長く君臨する場合をいうんだけど(笑)、ずっと先のこと。
その前に譲るしね。
どちらにしても健全であり続けることが重要。
倫理観を持ち続けることが重要。
飲んでグデグデになる愚かな行動はここには含まれない。
少しばかり安心した。
次元が低すぎるだけかもしれないけど(笑)。