kaizoku16121

原作を読んだのは3年前。当時のブログにも書いた。
普段、あまり読まない小説でかなりの感動を覚えた。
何度も映画館で予告編を観るうちに当たり前ように劇場に足を運んだ。
予告編を観る限り、いい出来栄えじゃないかと期待させてくれた。

と同時に不安に思うこともいくつかあった。
優れた原作の映画化は失敗するケースが多い。
あの上下2巻の超大作を145分にどうやってまとめるのか。
岡田准一はいい男すぎる(笑)。
などなど・・・。

期待半分、不安半分で観たことになる。
友人の評価も様々。賛否両論、入り混じっていた。
では、実際、観終わった後の感想はどうだったか。
面白かった。
厳密にいえば、かなり凝縮しすぎて欠落している点も多いとは思うが、見応えがある映画だった。

何よりも企業のトップが見せるべき姿を明確に描いていた。
これは自分勝手な見方だが、経営者と一般の方とでは
感動したシーンやセリフは微妙に異なるのではないだろうか。
それだけ理想的なリーダーシップが描かれていた。
現代社会にそぐわない点は多数あるが、その本質は変わることはない。
経営者や目指す人には勉強になるんじゃないのかな・・・。
ちょっと言いすぎか(笑)。

本作は出光興産創業者の出光佐三をモデルにしている。
昨今、出光興産と昭和シェル石油の合併問題が話題になっている。
この映画の公開は偶然にすぎないと思うが、
映画や小説を読む限り出光興産の創業家が合併に反対するのは当然のこと。
ファミリービジネス的にいえば、創業の精神、文化を大切にしているとも言える。
大手しか生き残れない時代には、とても難しい判断だと思うけど・・・。

僕としてちょっと寂しかった点。
岡田准一扮する主人公国岡鐡造と綾瀬はるか扮する妻サキの描き方。
ここに時間を割けないのはやむを得ないと思う。
でも、中途半端さは否めない。
他にもいくつかあったかな。恩師との関係性とか(笑)。

それにしても時代考証は見事。
このあたりは山崎貴監督の才能がいかんなく発揮されている。
こんな仕事が得意技なんだろう。

僕は映画は最後の最後まで観るようにしている。
エンドロールもしっかりと観ている。
そこに登場していた。
制作主任 山田哲也。

僕の名前が流れていた。
もしかしたら友人は勘違いしているかもしれない。
「あっ、山田さん、制作に絡んでたんだ」と・・・。

実際は関係ありません。
制作に一切タッチはしていません。
そんなこと言わなくてもわかるか。
そもそも誰も気づいていないか。

これも映画を楽しむ一つなのかもしれない。