hara17011

先週金曜日は中日文化センターの50周年記念テーマ講演会に参加。
講師は青山学院大学の陸上競技部監督の原晋氏。
箱根駅伝の3連覇を達成した大学の監督だ。
自己紹介を聞いて分かったが、僕とは同級生。

原監督は中京大学に通っていたので、当時、同じ名古屋を歩いていたわけだ。
どこかの安い居酒屋ですれ違ったこともあるかもしれない(笑)。
第二の故郷と自己紹介で言われていたのは、そんな大学時代があるからだろう。

最近、メディアへの露出が多いせいもあるだろうが、原監督の話は面白い。
そして、サービス精神に溢れている。
一般的にアスリート絡みの講演は意外とぶっきらぼうな感じが多いが、まるでタレントのよう。
むしろその辺のタレントさんよりも話の構成も素晴らしく、笑いを取る箇所も心得ている。
それを快く思わない方もいるかとは思うが、僕は好意的に伺った。

そもそもの才能もあるだろうが、背景には原監督の今の環境がそうさせている面も強い。
陸上という競技をサッカーや野球と同等の人気にしていきたい。
そのためにはその暗いイメージを払拭させ、少しでも競技人口を増やしていきたい考え。
それが話を面白おかしくし、興味度を上げる意味合いも多分にある。

今回は中日文化センターが主催ということもあり、僕が普段顔を出す講演とは景色が違った。
普段参加する講演は社会人や経営者向けが多く、そのほとんどが男性でスーツ姿。
それが今回は私服の方がほとんど。
それも年配の方や中年の女性が数多く見られた。
若いアスリート経験者と感じさせる方も多かった。

講演タイトルは「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた魔法の言葉」。
これだけみれば明らかにビジネス層向け。
しかし、来られている参加者に合わせ、箱根駅伝の裏話など平易な内容を伝えられていた。
僕はむしろタイトル通りの話を聞きたかったけど・・・(笑)。

とはいえ、そこには原監督の哲学が随所にちりばめられており、勉強になる面は多かった。
どう一人ひとりに向き合い、ある時はおだてるように話しかけ、
またある時はあえて一切の声を掛けず、その状態を見極めながら接する。
個々人の力を伸ばしながらも、チーム、組織として動くことを優先し、その重要性を語り続ける。
人としてアスリートとしての当たり前を定着させる。

他の世界でもよく聞くような話だが、それを原監督は原流で貫き、選手を育て上げる。
その熱さと温かさはビジネスの世界に通じるものと感じた。
情と理を結びつけながらも、最後は何とかなるさ、と楽観的な態度を示す。

最後の章で話された「無駄を学ぶ」も共感できる内容。
それは原監督の生き様そのもので、10年間のサラリーマン生活がいかに今の監督生活に役立っているか。
サラリーマン生活があったからこそ、このような偉業を達成できたということを自ら述べられていた。

今回は参加者も普段とは異なっていたため、最後の質疑応答も違っていた。
高校生をスカウトする際のポイントだったり、初心者ランナーが注意すべきことだったり、
普段の講演では聞くことのない質問だった。
1時間の講演では短く、もっと話を聞きたいと思わせる講演。

僕もそんなふうにならなければ・・・。
う~ん、難しい(笑)。

貴重なお話をありがとうございました。