先週金曜日は中日文化センターの50周年記念テーマ講演会に参加。
講師は青山学院大学の陸上競技部監督の原晋氏。
箱根駅伝の3連覇を達成した大学の監督だ。
自己紹介を聞いて分かったが、僕とは同級生。
原監督は中京大学に通っていたので、当時、同じ名古屋を歩いていたわけだ。
どこかの安い居酒屋ですれ違ったこともあるかもしれない(笑)。
第二の故郷と自己紹介で言われていたのは、そんな大学時代があるからだろう。
最近、メディアへの露出が多いせいもあるだろうが、原監督の話は面白い。
そして、サービス精神に溢れている。
一般的にアスリート絡みの講演は意外とぶっきらぼうな感じが多いが、まるでタレントのよう。
むしろその辺のタレントさんよりも話の構成も素晴らしく、笑いを取る箇所も心得ている。
それを快く思わない方もいるかとは思うが、僕は好意的に伺った。
そもそもの才能もあるだろうが、背景には原監督の今の環境がそうさせている面も強い。
陸上という競技をサッカーや野球と同等の人気にしていきたい。
そのためにはその暗いイメージを払拭させ、少しでも競技人口を増やしていきたい考え。
それが話を面白おかしくし、興味度を上げる意味合いも多分にある。
今回は中日文化センターが主催ということもあり、僕が普段顔を出す講演とは景色が違った。
普段参加する講演は社会人や経営者向けが多く、そのほとんどが男性でスーツ姿。
それが今回は私服の方がほとんど。
それも年配の方や中年の女性が数多く見られた。
若いアスリート経験者と感じさせる方も多かった。
講演タイトルは「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた魔法の言葉」。
これだけみれば明らかにビジネス層向け。
しかし、来られている参加者に合わせ、箱根駅伝の裏話など平易な内容を伝えられていた。
僕はむしろタイトル通りの話を聞きたかったけど・・・(笑)。
とはいえ、そこには原監督の哲学が随所にちりばめられており、勉強になる面は多かった。
どう一人ひとりに向き合い、ある時はおだてるように話しかけ、
またある時はあえて一切の声を掛けず、その状態を見極めながら接する。
個々人の力を伸ばしながらも、チーム、組織として動くことを優先し、その重要性を語り続ける。
人としてアスリートとしての当たり前を定着させる。
他の世界でもよく聞くような話だが、それを原監督は原流で貫き、選手を育て上げる。
その熱さと温かさはビジネスの世界に通じるものと感じた。
情と理を結びつけながらも、最後は何とかなるさ、と楽観的な態度を示す。
最後の章で話された「無駄を学ぶ」も共感できる内容。
それは原監督の生き様そのもので、10年間のサラリーマン生活がいかに今の監督生活に役立っているか。
サラリーマン生活があったからこそ、このような偉業を達成できたということを自ら述べられていた。
今回は参加者も普段とは異なっていたため、最後の質疑応答も違っていた。
高校生をスカウトする際のポイントだったり、初心者ランナーが注意すべきことだったり、
普段の講演では聞くことのない質問だった。
1時間の講演では短く、もっと話を聞きたいと思わせる講演。
僕もそんなふうにならなければ・・・。
う~ん、難しい(笑)。
貴重なお話をありがとうございました。