最近、企業の時短に関するニュースが多い。
ちょっと多すぎるのでは?と思うほど、毎日のように流れている。
先月の日経トップリーダーの特集もこれに関するもの。

先週参加した経営者向けのセミナーもそうだったし、
先週放送された「ガイヤの夜明け」も企業の取り組みを紹介していた。
めったに観ないTVだが、この時は家に居たこともあり興味深く見た。
珍しくトミタもブログで取り上げていた。

会社側の考えと現場の考えの食い違いが手に取るように分かり、
その間で苦しむ中間管理職の姿が印象的だった。
これは紹介された企業に限らず、多くの企業で見られることだろう。
日経トップリーダーで紹介されている企業はあくまでも数少ない成功例で
現実には中々うまく進まないケースが多いはず。

「働き方改革」=「時短」となり、そればかりクローズアップされていると思わくもない。
ここで僕が批判的な意見を言えば、ブラック企業の経営者と叩かれる。
そんな愚かなことはしない(笑)。

僕も懸命に時短を訴える一人。
朝礼の場や全体会議の場ではよく口にしている。
では、上手く機能しているか?
まだまだ道半ば・・・。
すぐに結果が出ればいいが、そんな簡単なことではない。
しかし、継続的に全社的な取り組みとして実施する。
もっと自らが啓蒙していかねばならないですね。

そんな中で感じることもある。
効率的に仕事をすることは重要。
ダラダラと仕事をする必要はない。
しかし、行き過ぎた時短に対する取り組みが
却って社員のストレスになってしまわないかという気もする。

時短の目的は別にあるはずなのに、
時短自体が目的化してしまう恐れはないかという不安。
そこをいかにクリアさせていくことができるかが僕自身の課題ともいえる。
余計な会話も控えなきゃいけないかも・・・(苦笑)。

まだ自社のことは大きな問題でないからいい。
僕が思うには別の方向でマイナスの影響が出ているのではないかということ。
それは新卒採用市場において感じるのだ。

18卒の求人倍率は1.78倍。
(リクルートワークス研究所調べ)
昨年の1.74倍からは微増。
それが300名以下の中小企業の場合、4.16倍から6.15倍へと広がる。
流通業の場合は6.98倍からなんと11.32倍と約前年の倍。
これはちょっと極端すぎないか?
この数字を読むと僕は勝手に「働き方改革」の影響が出ているのではと考えてしまう。

最近の学生の傾向として土日休みを前提とした勤務形態を望むケースが多い。
勤務時間も同様で9時~18時といった一律の時間を希望する。
これが残業なしという認識にも繋がり、それが難しい企業は学生の志望から排除されていく。
そんな気がしてならない。

今の日本企業の在り方を考えれば、土日勤務も朝型、夜型勤務もあって当然。
しかし、「働く方改革」が強調されることで、
サービス業の勤務形態が否定的に捉えれることが増えているように感じる。
その数字が求人倍率に反映されていることはないか?
僕だけが感じる違和感ならいいのだが、実際そうじゃなかったとしたら・・・。

時短も「働き方改革」も重要なのはよく分かるが、
そんなマイナス面が表面化しないことを願いたい。