それにしても是枝監督って、ここ最近、やたら精力的ではないだろうか。
数年に1本しか映画を撮らない監督だと思っていたが、ここ数年は毎年撮っている。
一昨年「海街diary」、昨年「海よりもまだ深く」と温かくも儚い話題作を連発させている。

オファーが多いのか、急にヤル気が出てきたのかは知らないが、
僕としてはブログのネタが増えてありがたい。
その前の「そして父になる」も含め、4本のネタが提供できた(笑)。
それだけ魅力的な作品であるのは間違いないけど・・・。

本作は過去3本とは明らかに作風が異なる。
家族を描いているのは確かだが、これまでのような温かさとか親子愛を感じることはない。
せつない気持ちがずっと続いていく。

これが狙いなんだろうか。
家族愛に飽きてしまい、もっと人間の嫌らしい奥の方に眠る価値観を描きたくなったのだろうか。
どんどん追い込まれていく主人公福山くんが露になってしまうのがその象徴。
いい男すぎる彼もたまには痛い目に合わないと不平等(笑)。
さらに好感度が上がってしまったのかもしれないが・・・。

それにしても役所広司さんなる役者の存在感はなんなんだろう。
2週間前に観た「関ヶ原」でも主人公を食っていたし、本作にしても同様。
得体のしれない恐ろしさを当然のごとく演じていた。
二人がガラス越しで話し合うシーンの迫力は、その辺のアクション映画をはるかに超える。
撮影的にも演出的にもとても難しいシーンだと思うが、
その場面があるからこそ、この映画の怖さがジンジンと伝わってくる。
さすがですね・・・。

いつも書いているように僕のブログを読んだところで、
どんな映画かはさっぱりわからない。
一応、褒めているつもりだが、それすら伝わらないのかもしれない(苦笑)。

ただ僕のブログのおかげで格段と観客動員数が増える。
格段といっても数人という話もあるけどね(笑)。

ネタバレ的に言えば、タイトルにある「三度目の殺人」はない。
せいぜい二度だ。
ではこの三度目は何を指すのだろうか。
映画を観た後でも分からない。
分かったような気もするが、その事実は分からない。
だからこそ、多くの方に観てもらい、解説して欲しい。