sitamati1501

幸いにも自分の身近な存在で本書のようなケースはない。
しかし、世間を見渡せばここに登場する中小企業の実態は数知れず見受けられるだろう。
ファミリービジネスを学ぶと必ずぶち当たるのが後継者の問題。

事業を継承するうえで会社の抱える負債や赤字事業が後を継ぐ者に大きな負担となる。
先行きが明るければいいが、
見通しが全く立たないようであれば継がない方がいいと考えるのがごく自然。
いくら二代目、三代目といっても責任感や使命感だけではやっていけないことはある。

本書のケースでいえば上手くコンサルタントが介入することで倒産を回避し、M&Aを成立させている。そのコンサルタントが著者なわけだから当たり前の話だが・・・。

本書はM&Aが成立するまでの経緯は詳細に書かれているが、
本当に知りたいのはその後の経過。
それも半年とか1年ではなく、3年とか5年を経過した段階でM&Aが成功だったかが検証できると思う。
最近でも日本を代表する大手企業がM&Aに失敗し、何千億円をドブに捨てたという話はよく聞く。
大手だとより目立つが中小でも目に触れないだけで失敗するケースは山ほどあるだろう。
そのあたりの人間模様をきっちりと覗いてみたい。

それは興味本位ということだけではなく、
中小企業のおいても企業文化や理念がどこまで影響するのかを見てみたいのだ。
今後のファミリービジネスを考えた場合、M&Aは必須の課題となるだろう。
単純に時間と人を買うだけではなく、
その裏側にある言葉や文字にできないものを見ておきたいと思うのだ。
文字にできなかったら、知る由もないのかもしれないが・・・。

M&Aという言葉自体、僕自身は身近に感じないが、
今後は真剣に考えなければならない戦略のひとつかもしれない。
それがされる側、する側のどちらとは言えないが、今後、頻繁に起きそうな予感もする。
となると銀行あたりともしっかりお付き合いをして情報をキャッチする必要もあるかも・・・。

ただいえるのは「口が固い者がM&Aを制する」という不変の真理には自信がない。
ついこのブログで書いてしまいそうな気がして・・・(笑)。
そう考えると当面は買うことも売ることもなさそうだ。

その前にもっと勉強しないといけない。
ファミリービジネスを学ぶためにも・・・。