なぜか嫁さんが持っていたので手にした一冊。
この写真のポーズはよく見るポスターに似ている気がする(笑)。

もはやこの業界では一人勝ちなのではないか?
他に競合があるか考えても思い浮かばない。
最近、愛知県に進出してきたイケアがそれにあたるくらいだろう。

そんなニトリの似鳥会長のことを詳しく知ったのは、
2015年4月の日本経済新聞「私の履歴書」。
痛快ハチャメチャですこぶる面白かった。
カンニング、裏口入学、家出など名誉あるトップなら
葬り去りたいような過去を悪びれることなく堂々と著していた。

当時のブログには愚か者本部の名誉顧問にお迎えしたいなどと失礼なことを書いていた。
その言葉に嘘はなく、その潔い生き方は何よりも学びになる。
一度、似鳥会長の著書は読まなければと思っていたので、この偶然はいい機会。
これも運がいいということだね。

本書は似鳥会長の生き様を含め、経営に対する考え方を余すことなく書かれている。
平易な文章なので読みやすく、腹落ちもしやすい。
対外向けというよりはむしろ社員さん向けに書かれているのではないだろうか?
社員研修の場でも使用できるだろうし、幹部を集めた会議の場でも共有することも可能。

似鳥会長の言われる「成功の5原則」とは、
①ロマン(志)
②ビジョン(中長期計画)
③意欲
④執念
⑤好奇心

特にロマンとビジョンというワードは本書の中では至るところで登場する。
きっと社内でも口癖のように言われているのだろう。
名経営者であれば共通していることだと思うが、
自分の想いはくどいくらい何度も何度も繰り返して言う。

一度話したくらいでは理解したとしてもすぐに忘れてしまう。
もうこれ以上聞きたくないと思わせるまで言わなければ
真に伝わることはない。
僕の場合は自分でくどいのは嫌がられると思っている節があるので、
名だたる経営者からしてみれば未熟でしかない。
ロマンもビジョンも足りない。
もっとしつこく同じことを明るく豪快に言わねばならないのだ。

本書に目から鱗が落ちるような特別なことが書かれているわけではない。
松下幸之助氏に近い原理原則が中心。
それでもその生き方を知るだけでも勉強になり価値がある。
伸びる会社には間違いなく理由がある。
それを理解できただけでも感謝しなければならない。