ランニングに5月はいい季節。
朝は暑くもなく寒くもなく爽やかに走ることができる。
日も長くなるので、朝5時台に走り出しても問題はない。
むしろその方が気持ちよかったり・・。
ルーティンのコースの公園もお年寄りが会話を弾ませながら散歩をしている。
6時半になればラジオ体操も始まる。
新緑の季節はどんな行動でも清々しく健やかにみえる。
一年通して一番いいシーズンであるのは間違いない。
そんな5月であれば目標達成は楽勝なはず。
GW休暇もあり、日程的にも調整しやすい。
では、結果はどうだったか。
5月のランニング距離は80km。
まさかの目標未達成。
それも20kmも足りない。
あの雨がなかったらというような言い訳もない。
はい、すみませんでした。
と謝るだけ。
誰に?
特に謝る人はいないけど・・・。
敗因のひとつは休日にも短い距離しか走らなかった。
大会が終了しモチベーションも下がり、休日でも7km程度。
加えて5月最終週は一度も走らなかった。
雨もあったが、疲れも尾を引いていた。
目論見では最終週に20km走って達成するはずだった。
思うようにはいかないもんだね・・・。
まあ、それでもいい。
今年は無理をしないと最初から宣言しているし。
言い訳だけど・・・。
ただ目標よりも大切なことがある。
純粋にランニングを楽しむこと。
普段、走れない土地を走ること。
その方が大切だと思う。
その点でいえば5月はまあまあな月。
5月中旬は皇居をRUN。
走りやすい季節の影響もあると思うが、6時台でもランナーは多かった。
そして、ベトナム・ダナン。
6時台は既に暑いがホテル周辺をRUN。
その時間帯でも人は多い。
日中が暑すぎるので、外での活動は朝が多いみたい。
宿泊したホテルからドラゴンブリッジに向かって、川沿いを走った。
先日の信州高山村も走る予定だったが、
スマホを変えたばかりでアップルウォッチが上手く同期せず諦めた。
(関係ないじゃんという冷ややかな声も出そう)
それでも普段走らない土地を走るのは新鮮。
楽しく走ることができる。
それで十分と思ってしまう。
言い訳がましいブログになったが、それが大事。
目標達成は二の次。
そんな感じで終了した5月。
6月はもっとハードルが高くなるが、やれることをやるだけ。
どこか遠征できるか?
そんな想いを抱きながら、チャレンジしていきたい。
先月23日から26日まではベトナム研修旅行。
僕が幹事長を務める西川塾のメンバーとベトナム・ダナンに向かった。
ちょうど6年前にも同じような旅行を計画し実施。
塾生であるダイキョーオータ株式会社の太田社長が経営するベトナム第二工場の視察が目的。
朝イチにセントレアに集合し、ホーチミン経由でダナンに入った。
到着後はホテルにチェックイン。
今回は海沿いではなく川に浮かぶ「ザ・ブロッサムリゾートアイランド」に宿泊。
太田社長のご厚意で安く泊まらせてもらった。
会長に贅沢は禁物。
しかし、想像以上に立派な部屋。
初日は懇親会で終了し、視察は2日目。
前回訪問時、ベトナム第二工場(ダナン工場)はまだ建設中。
前回ブログはこちら。
それが今や150名を超える社員さんが働く工場に。
ホーチミンのベトナム工場と2拠点で帽子やユニフォーム、マスクを製造。
現地法人の牧社長から工場の特徴を解説してもらう。
社員さんは近隣の方で全て正社員。
若い方が多いが親子や夫婦で働く方も多いという。
働きやすい職場を提供されている。
会議室で学んだあとは工場内の見学。
写真をアップしていいか分からないため割愛するが、
誰でも知っている大手飲食店やコンビニの帽子やエプロンを製造。
スピーディーな対応と品質が強み。
工場の入り口で記念撮影。
目的は2日目に達成。
残りの日は塾生同士の絆を深める活動。
数日一緒に過ごすとかなり深い話ができる。
もちろん会社や仕事の話が中心だが、それ以外の話も尽きることはない。
僕はビールを飲む係だが、
(そんな係はないか・・・)
食事をしながら、ゴルフをしながら、くつろいながらいろんな話をした。
ホテル内での食事もあったが、せっかくなら現地の方が行くお店へ。
2日目は海鮮料理。
現地のお店はビールが冷たくない。
氷を入れて飲むのが基本。
タニシの揚げ物なんて初めて食べた、
氷入りビールとタニシの食べ過ぎでお腹を下した。
正露丸ですぐ復活できたが・・・。
3日目の夜はドラゴンブリッジの近くに停泊するレストランで食事。
動かない船のレストランだが、記念日によく使われる。
僕らのテーブルの両サイドはカップルがプレゼントを渡しケーキを食べていた。
この日はドラゴンブリッジが火を噴く。
橋の周辺は多くの見物客で賑わっていた。
ちょうど火を噴くタイミングでサプライズも・・・。
塾生仲間が誕生日祝いをしてくれた。
今年は会社の新人歓迎会でもお祝いをしてもらい嬉しい年。
58歳という中途半端な年齢だが、いい記念になった。
船の搭乗口でも記念撮影。
いつの間にか最年長だが、こういった仲間の存在は大きい。
僕よりも若い経営者になるが見習う点は多く、大いなる学び。
こんな旅行に改めて感謝。
ベトナム研修旅行ブログは終わりにしたいが、もう1回はアップしようかな。
では・・・。
いい意味で白石監督らしくない作品。
僕は大好きだが白石作品はハードなイメージが付きまとう。
「日本で一番悪い奴ら」にしても「孤狼の血」にしても、
その続編も「凪待ち」も「ひとよ」も「死刑にいたる病」もそう。
ほぼ作品は観ているが、大体は登場人物が壊れている。
まともな主役は少ない。
それを得意とする監督と期待していたし、そんな作品が好きだった。
そんな作品に惹かれることは全うじゃない(笑)。
しかし、本作の登場人物は壊れていない。
破綻していない主役は初めて。
部分的に切り取れば全うじゃない面はみられるが、あくまでも感情的な一部。
20年ほど前の山田洋次が描く歴史ものに似ている。
それがいい意味で白石監督らしくない。
これが悪い意味でらしくなかったら、厳しい。
平凡な時代劇になってしまった。
白石監督は次のステージに向かっているのかな。
囲碁を中心に殺陣を描く。
静かに打つ碁がアクション映画。
囲碁を知らないのを後悔した。
何度も誘われたが、やらず仕舞い。
少しでも理解していたら、もっと楽しめた。
戦国時代のドラマでは武将が囲碁を打つシーンをよく目にする。
武士が戦略を描く上で重要。
そんな存在と思っていた。
ところが江戸時代はあちこちに囲碁場があり、武士も商人も娯楽として楽しむ。
娯楽のたまり場とは知らなかった。
映画では大きな意味を持つ。
浪人役の草彅剛が囲碁を通して実直な人格をみせ、
また武士としてのプライドを保つ。
囲碁に向き合う緊張感が心地いい。
白石作品であれば血みどろの格闘を期待するが、そんな場面はない。
いくら許せない人物が登場しても不用意に刀を振り回すことはない。
いい意味で裏切る。
白石ファンの評価は分かれるだろう。
物足りなさを感じるかもしれない。
そんな作品だ。
僕はそれでいいと思う。
派手な血闘シーンがなくても十分に映画を楽しむことができた。
草彅剛のちょんまげ姿は徳川慶喜をイメージさせるが悪くはない。
立ち振舞いはストイックに映る。
「青春18×2 君へと続く道」に続く清原果耶も魅力的。
彼女はこんな役が似合うね。
キョンキョンは年齢を重ねたが、いい味を出す。
恐れることなく映画に向き合ってほしい作品ですね。
やってきました大好評、月末のラーメンブログ。
全国のラーメンファンから注目されつつあるという噂があるとか、ないとか。
仮になかったとしても、ごく少数のファンのために懸命に足を運んでいきます。
今回は番外編となります。
伏見シリーズでの提供を考えていましたが、タイミングが合いませんでした。
候補のお店にお邪魔しましたが、たまたま臨時休業。
来月のお楽しみとしてお待ちください。
今回向かったのは東京・九段下。
土地に詳しくはないですが、この辺りはラーメン激戦区でしょう。
駅から目的地に向かう途中でもラーメン店がひしめき合っています。
ありとあらゆるジャンル。
こだわりの専門店からなんでもござれの総合中華料理店まで、値段もバラバラです。
向かったのは九段下から飯田橋方面に向かい東京大神宮の近く。
昨年7月にオープンした「支那そば とも」さんに行ってきました。
ブログ読者の中にはラーメンが重すぎるという意見もあります。
だからといってこのシリーズを止めるわけにはいきません。
納得頂けるラーメンの紹介が求められます。
いいじゃないですか、支那そば。
いかにもあっさりとした感じ。
重いという面倒な読者も頷くでしょう。
こちらはほぼ一本勝負。
みそ味もありますが、基本は支那そば。
こだわって作ります。
大将が一人で切り盛りをしているので、お水はセルフサービス。
混雑時は待つことになります。
仕方のないことでしょう。
ここは基本で攻めます。
それだけでは物足りないので煮卵をトッピング。
支那そば 850円+煮卵 100円
どうみても重くはならないでしょう。
サッパリ、スッキリ、あっさり、そんな感じで頂けます。
オーソドックスですが優しい味わいが体を包みます。
口の中でほぐれるチャーシューもいいですね。
伏見周辺にもこの類のラーメン屋さんが出店してくれないでしょうか。
それでは恒例のこの1ヶ月で頂いたラーメンを紹介します。
担々麺
肉そば(しょうゆ)
赤みそラーメン
肉細切もやしラーメン
ラーメン横綱
ワンタン麺
豚骨ラーメン
まあまあいい感じにペースでしょうか。
老舗店にお邪魔することも多かったですね。
スガキヤにワンタン麺があるのが驚きでした。
来月は伏見に戻れるでしょうか。
ごちそうさまでした。
学級崩壊や先生の過酷な労働環境など教育現場が話題になることは多い。
それは日本特有の問題だと思っていた。
実際は日本に限ったことではなく、全世界共通の問題。
本作を観て、そう感じた。
舞台はドイツの中学校。
仕事熱心で正義感の強い若手教師の行動が引き金になり、大きな問題へと発展。
その流れていく状況がとても恐ろしい。
社会派人間ドラマだがサスペンススリラーというジャンルも間違いではない。
むしろそう捉える方が正解なのかもしれない。
原題は「Das Lehrerzimmer」。
大学時代、ドイツ語の授業は受けていたが、「グーテンターク」しか覚えていない。
調べてみると「職員室」という日本語訳。
邦題は「ありふれた教室」。
このかけ離れたタイトルは何なのか。
映画を観ると違和感はなくなる。
いや、若干、違和感は残る。
本当にありふれているのかと・・・。
原題も英語でのタイトルもストレート。
まさにそこで起きた出来事。
何が正しく、何が間違っているのか、考えさせられる。
誰の行動も間違ってはいない。
理屈で考えれば常識的。
しかし、感情が入るとそれは一気に乱れる。
正しさが悪意と受け取られる。
それがとても恐ろしい。
本作を観て、昨年公開された「怪物」を思い出した。
小学校内の事件を取り上げているが、立場により受け止め方は異なる。
それに近い面はあるが、本作の場合、若手教師ばかりが追い込まれる。
いやいや、そもそも校長や先輩教師の対応が悪いでしょ…
と客観的に判断するが、実際はそうではない。
世の中はきっとそう。
教育現場だけでなく、企業でも地域コミュニティでも起きうる話。
日本だろうとドイツだろうと関係ない。
そして、映画は答えを出してくれない。
ラストシーンの受け止め方は人によって大きく変わる。
カギとなるルービックキューブの存在も・・・。
本作でドイツの学校の在り方も理解できたのはよかった。
先生同士の議論に生徒が加わるとか、
あくまでも答えは自分で出させるとか、
多くの人種が通う多様性とか、学ぶ点も多かった。
しかし、どんな国でも学校の先生は大変。
そして真面目すぎる性格は損をする。
ある程度、テキトーな方が問題は起きない。
真面目すぎる性格を直したいと今更ながら思った。
な~んて・・・。
後味はいいとはいえないが、作品は素晴らしい。
落ち込むことを覚悟して、是非、観てほしい。
これは映画か、ドキュメンタリーか。
観ながら迷う。
これは演出なのか、リアルを描いているのか。
観ながら悩む。
実際に起きている問題を真正面から捉えているのはよく分かる。
そして胸が締め付けられる。
「マリウポリの20日間」も気になったが、今回は本作を選択。
描かれる世界は近しい。
「マリウポリの20日間」はロシアによるウクライナ侵攻から
マリウポリ壊滅までの20日間を記録したドキュメンタリー。
知っておくべき事実だが、日々の報道で近い状況は把握できる。
しかし、本作は知らない世界。
ウクライナの隣国のベラルーシとポーランドが舞台。
このあたりの国同士の関係はややこしい。
世界情勢に疎い僕は映画を観て、その辛い事実を知ることとなる。
シリアやアフガンからの難民は
「ベラルーシを経由してポーランドの国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」
という情報が流れているという。
しかし、実際は・・・。
亡命を求めて国を出た家族は想像を絶する世界へ引き込まれる。
亡命なんてしない方がいいのか、
それでも亡命をした方がいいのか。
平和ボケした僕には分からない。
分かることといえば、島国日本がいかに平和かということ。
「退職代行サービス」を使って退職なんて、安定した国だからできる。
明日の生活も予測できない。
生きているのかも分からない。
ベラルーシを追い出されポーランドに送り込まれる。
ポーランドから追い返されベラルーシに戻る。
その繰り返し。
国のトップが現れることはない。
前線に立つ国境警備隊を感情的に黙々と仕事をする。
人への優しさは無用。
自分たちに不利が起きない行動をするだけ。
観ていて辛い。
子供や妊婦にも容赦しない。
それを正そうとする支援活動家。
その力は小さく、権力に押し潰される。
これが国の実情なのか・・・。
こんな作品を観て、いつも感じる。
被害に遭うのは普通の人たち。
幸せを求めるだけで危害を加えることはない。
僕らは日々、いろんなニュースを目にするが、こんな事実は知らない。
どこかの国の大統領だか首相だかの正論を聞かされるだけ。
この作品を観ろよ!と思ってしまう。
何も感じないか(汗)。
今年は愚かな人間の行動を描く辛い作品が多い。
そんな作品から目を背けてはいけない。
それくらいしかできない。
多くの方に観てほしいと思う。
いい季節が続きます。
こんな時は会社の近くの馴染みの店ではなく、
季節を感じながら少し離れた場所まで歩くのがいいでしょう。
地下のお店なんてもってのほか。
ブラブラと歩くのもランチの楽しみ方の一つです。
会社から北に向かい桜通を越えます。
気づくと丸の内2丁目まで来ていました。
伏見シリーズとしてはギリギリ成立します。
ふと目に入ったのがこちらの看板。
海鮮を売りにした飲食店でしょうか。
入口に向かうとこんな感じ。
敷居の高さを感じます。
改めて看板を確認します。
財布の中身も問題ありません。
「よしっ!」と頷きながら入店しました。
昨年10月にオープンした「江戸鮨處 太いち」さんにお邪魔しました。
こんな場所にお寿司屋さんなんて隠れ家的なお店を狙っているのでしょうか。
丸の内界隈もひっそり佇むこだわりのお店が多いですね。
カウンターではなくテーブル席に通されます。
まだ新しいお店である証明のようです。
注文すべきはお寿司のランチかもしれませんが、ここは百戦錬磨の人気ブロガー。
あえて違う路線を選択します。
お値打ちな「イワシめし(900円)」か迷いましたが、見栄を張ることにしました。
さわら竜田揚げ定食 1000円
「見栄って、この程度か!」
と罵声が飛んできそうですが、この程度です。
ランチはここに留めておく必要があるでしょう。
お寿司屋さんらしい魚の竜田揚げ。
さわらの竜田揚げは初めて頂きました。
アップするとこんな感じ。
優しさを感じます。
お肉のような油濃さはなく、さばのようなクセもありません。
意外とボリュームはありますが、あっさりと頂くことができました。
小鉢もお寿司屋さんが提供するつまみのようでした。
こんな感じのランチもなかなか良いですね。
夜も錦に比べれば随分とお値打ちかもしれません。
あっ、そうそう、今日は人気ブロガーの58歳の誕生日。
特にお祝いの言葉は必要ありません。
こんなお店で美味しい日本酒を飲ませて頂ければ十分です。
ご連絡をお待ちしております。
ごちそうさまでした。
TVではなく映画館で上映する意味はなんだろう?
と思いながら劇場に足を運んだ。
事前情報を入れずに映画を観たが、映画館での上映の意味が徐々に分かってきた。
僕は坂本龍一氏の最後のコンサートを追ったドキュメンタリーと思い込んでいた。
完全な勘違い。
映画館はイオンシネマ。
普段は80席程度の小さなシアターが多いが、本作は400名弱の席数。
そのシネコンでは一番大きなシアターだった。
それも「ULTIRA(ウルティラ)」という迫力のある鮮明映像と立体音響。
Dolby Atmosのため全方位から音楽が流れてくる。
そんな大きなシアターに10人ほどの観客。
かなり贅沢な空間だった。
本作はドキュメンタリーではなくコンサート。
坂本龍一のソロコンサートを映画館で堪能したのだ。
映画コラムニストとして書くような評論はない。
演出や出演者、ストーリーを語ることもない。
ただ坂本龍一氏のピアノを感じるだけ。
その世界にのめり込んでいくだけ。
映像は静かに流れる。
30分程、経った時に初めて坂本氏が言葉を吐く。
「もう一度やる?」
その他にどれだけ発した言葉があっただろうか。
数える程度。
95%はピアノに向き合い演奏する映像。
あとは沈黙する表情。
それは苦しそうにも楽しそうにも思える。
何か思い悩みながら演奏しているとも受け取れる。
真摯に向かう姿がヒシヒシと伝わる。
「戦場のメリークリスマス」や「ラスト・エンペラー」のような
代表的な曲は分かるが、知らない曲も多い。
曲の細部や難易度は僕には分からない。
それでもその空間に導かれていった。
きっとピアノの前なら何日でも座っていられるのだろう。
余計なものをすべてそぎ落としたコンサート。
モノクロの映像とマッチし、白髪の坂本氏を浮き上がらせる。
それがTVではなく映画館で上映する意味なんだ・・・。
本作が映画ではなくコンサートなら上映する劇場を選ぶ。
偶然にもそんな時間に遭遇できてよかった。
最後のコンサートを体感させてもらった。
初めて中国に行きたいと思った。
広大な中国の風景を眺め、そんなことを感じた。
ただ風景を眺めるだけなら、行きたいと思う気持ちは生まれなかったと思う。
上海から長江の最初の一滴を辿るルートで出会う人とのふれあいを見て、
素直に行きたいという感情が生まれた。
本作を知ったのは偶然。
頻繁に通うミリオン座で長い期間、上映されている。
それも一日1回の上映。
評価の詳細は読んでいないが、星の数は多い。
なんだか気になり、映画館に足を運んだ。
本当に観てよかった。
素直に感動。
お世辞抜きにそう思った。
本作はドキュメンタリーで2021年から2年をかけて長江6300キロをたどる旅を描く。
竹内亮監督が自ら出演し、その旅で出会う人とのふれあいも重要な要素。
世界史で長江の大きさは学んだ。
アジア最長の川で日本の本州よりも長い。
川幅だけみてもとても川とは思えない。
その源流を求め、5300キロを上っていく。
竹内監督は10年前に同様のドキュメンタリーを制作し、辿りつけず終わった。
今回はリベンジだが、それだけではなく10年前に出会った人との再会も求めた。
むしろこれが本当のテーマじゃないか。
僕たちの10年前と中国の地方の10年前は時代が異なる。
30、40年前と錯覚する。
町や家、学校は消える。
同じ中国でも文化や民族意識も異なり、現代社会とは隔世の感を覚える。
一般的に僕らが思う中国人のイメージは決していいとはいえない。
インバウンドやニュースの影響が強いかもしれない。
しかし、本作で登場する中国人はとてもピュア。
印象が大きく変わった。
偶然の要素が強いが10年前に出会った人と再会し、今と昔を語る。
そのストーリーに感動する。
監督はじめスタッフも再会した人も感動する。
それが泣ける。
当初、このドキュメンタリーは重いと思っていた。
そうではなく、面白おかしく旅を伝える。
その中でふれあいの大切さを教えてくれる。
いやあ~、参ったな。
それもあるが、何よりも大自然。
広大な壮大な風景がこちらに押し迫る。
ドローンを使った撮影が功を奏す。
海のような長江、シャングリラの風景、永遠に広がるチベット高原・・・。
引きの映像も素晴らしい。
いい意味で中国のイメージを裏切ってくれた。
画一的な物事の見方は危険。
素晴らしいドキュメンタリーを観させてもらった。
一度、中国に行ってみたい。
単純な映画ほど深いメッセージがあるのかもしれない。
そう考えると純粋に映画を楽しむことが難しくなる。
真意を確かめるのも大切だが、そんなことはどうでもよく、
もっとお気楽な時間を過ごすだけでもいいのではないか。
時々、何も考えずに向き合いたい。
特に本作はそれでもいいと思ってしまう。
僕の中でマーゴット・ロビーは海外の女優では抜群の存在。
「バビロン」を観て大きな刺激をもらったが、とても魅力的な女優。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」もそう。
本作ではまさにバービーそのもの。
煌びやかな衣装の立ち振る舞いを観るだけでも十分に満足。
しかし、それではただのスケベオヤジにしか写らないのが現代。
そんな眼差しで映画を観ることは許されない。
完璧なマーゴットロビーを楽しみながらも、深いテーマうを語り合わなきゃいけない。
映画は時々面倒くさい。
本作を娯楽作と受け取るのは短絡的。
場合によっては批判を浴び、上映禁止まで発展する。
好き勝手に映画を撮る時代は終わり、多方面への意識を要求される。
見方を変えれば本作はあえて挑戦し、様々な解釈を生み出そうとしているのではないか。
「バービーランド」は誰にとっての理想なのか。
夢のような世界で過ごすことは毎日が楽しく何の不自由もない。
争いごともおきない。
それぞれが自分の立場に疑問を持たず暮らす。
バービー人形で遊ぶ子供たちはそんな世界に憧れているが、
それが本当の幸せなのかと成長の過程で知ることになる。
本来の人間の姿を見て、バービーもケンも気づくわけだが、それは本当の人間の姿なのか。
正しさといえるのか。
それこそエゴではないのか。
単純な映画を単純に楽しめば何も悩むことはない。
視野を広げ視点を高めるのは重要だが、それが人を不幸にする。
単純に楽しむことができなくなるのだ。
マーゴットロビーを堪能したい。
右脳感覚だけで映画を観たい。
あまり面倒くさいことは語りたくはない。
そんな作品。
何を書いているのか意味不明と捉えられるかもしれないが、
マーゴットロビーに魅力を感じる人は理解してくれるはず。
最終的な選択も応援するけどね。