対照的な2冊。
先に出版されたのは「国商 最後のフィクサー葛西敬之」だが、
僕は「日本のリーダー達へ 私の履歴書」から読み始めた。
参加する経営塾で勧められたのがキッカケ。
経営塾の先輩には葛西氏にお世話になった方も多く、
常に日本の先々を考えられていたという。
確かな話だろう。
これは僕の穿った見方でしかないし、もしかしたらそんな情報は溢れているかもしれないが、
「国商」が出版され、急きょ「日本のリーダー達へ」が出版されたのではないかと・・・。
「国商」は捉え方によっては葛西氏の功績を裏側から抉った要素がある。
悪意があるとは思わないが、否定的に捉えさせる面もなくはない。
それを更に否定する流れが「日本のリーダー達へ」のように思えてしまう。
本書は日本経済新聞の「私の履歴書」やコラムやエッセーをまとめたもの。
タイトルは後づけにすぎない。
リーダー達へのメッセージはその内容から読み取るしかないが、
葛西氏の功績を正当化させるものだ。
僕はどっちがよくてどっちが悪いとか、
どっちが正しくてどっちが間違っているなんていうつもりはない。
多分、両方とも事実だろう。
大きな企業を動かそうと考えた場合、正攻法だけで突き進められるとは思わない。
大なり小なり危ない橋を渡らなければならない。
一般的に敵を作らず健全な道を歩んできた僕でも(笑)、
どこかの誰かには恨まれているだろうし、ボロクソにいわれることもある。
組織を動かし、権力を何らかの形で利用する場合はきれいごとだけでは済まない。
しかし、何事もなかったかのように平然としているのが一流の経営者。
それも僕の個人的な考えにすぎない。
読み手により解釈はマチマチだし、片方だけ読めばそのイメージが先行する。
本書には故安倍晋三氏も登場するが、その人物像も人によって異なる。
人を否定することや非難することは簡単。
無責任な人ほどいとも簡単に抹殺すると思う。
その方がウケるわけだし・・・。
なんだか書評でもなく、とりとめのないブログになってしまった。
実績を残す人は称賛されるだけでは終われない。
それが本当の功績なのかもしれない。
そんなことを考えてしまった。