大学の就活担当者が語る 就活アドバイス

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大同大学

http://www.daido-it.ac.jp/

キャリアセンター長

徳納 一成

「自分」を大切に

今年も就職戦線の幕が切って落とされた。・・・・・昨年度の私の寄稿はこの文言から始まった。そして今年も同じである。 ただし、経団連の新たな「採用選考に関する指針」のもと、今年は少し事情が異なるのは言うまでもない。 大手企業によっては綿密に採用計画が設定され、リクルーターなども活用しつつ、(言葉が悪いが)狙いを付けた大学の一定層への食い込みがなされつつあるであろうことを考えると、 その他多くの学生そして中小を中心とした企業側の戸惑いは小さくない。 この「戸惑い」から醸成された「情報戦」という要素も加わった新たな「戦線」は、明らかに、そしてかなり前から始まっている。

いわゆる求人倍率という数字で見る限り、現在は学生にとって明らかに「売り手市場」であり、2016年卒者の採用見通しとして、ほぼほとんどの業種で採用人員は増えると予想される。 相変わらず建設業の採用意欲は活発であり、加えて、コンピューター・通信機器、精密機械器具などの製造業、小売りを中心とした流通業、 そして飲食業などのサービス業なども軒並み採用人員を前年度より大幅に増やすと見られる。 しかし、そのような状況においても、必ずしも、全ての学生がすんなりと内定を取れるというわけではない。

ひとつの大学においても学生の気質は様々で、キャリアセンターの力を借りずともさっさと内定を取ってくる学生、キャリアセンターに日参して何とか内定を取ろうと努力する学生は、 キャリアセンター側から見れば安心して見ていられる。我々が心を砕かねばならないのは、再三の問いかけにも一歩が踏み出せない学生であろう。 しかし、彼らからしてみれば、集団面接的な企業説明会ではついつい引け目を感じて一歩下がり、ましてや、求人票を見て、 見ず知らずの大人に対して積極的に自分をアピールすることなど、生まれてはじめて経験する人生最大のハードルなのだろう。たいへんなストレスに違いない。

しかし、このような学生に言いたい。電話の向こうの多くの企業採用担当者は、「君たちを採用したい。わが社に来てほしい。」という気持ちで待っているのである。 採用担当者の多くは、その学生が持つ、自分たちの会社に本質的にマッチするところを探し出し、それがあれば、採用を考えるはずである。 ここで昨年の寄稿と全く同じ結びとなるが、そのためにも、ぜひ、自分を見つめ直し、自らの心に、自分はどのような人間なのか?  小さなことでもいい、大学生活で何をやってきたか? を問いかけ、整理していただきたい。 そして、ゼミや卒業研究などを通じて与えられた課題をよく分析し、どのように自分が答えていったかを見直しておこう。 小さな第一歩ではあるが、これこそが自らならではの「個性」の再発見につながることだろう。「自分」を大切にしていただきたい。

皆さんの健闘と多幸を祈ってやまない。頑張ってください。