こんにちは、神谷です。
本日のブログタイトル「寂しい生活」。
何かと言えば、最近私が読んだ本の題名です。
今回はこの本をご紹介します。
『寂しい生活』稲垣えみ子(東洋経済新報社)
稲垣さんはメディア出演もされているようで、
ご存知の方も多いのでしょうか。
私はこの本で初めて知りました。
電気代 月150円。
著者自身の節電への挑戦が描かれた一冊です。
東日本大震災の原発事故に思うところがあり、
節電生活をスタート。
電気代を減らすことを突き詰めていったら、
ついにはほとんど全ての家電を手放すところまで行き着いてしまった・・・!
というお話。
洗濯機もレンジも冷蔵庫も冷暖房も使わない生活。
家電がない不便さを、知恵と工夫で乗り越えて、
今までとは違う暮らし方を築いていく。
その苦労やエピソードが綴られています。
ここまでできるなんて、本当にすごい!
こんな暮らしができたら理想だなあ、
とは思いますが、
今の私には同じことはできないでしょう・・・
やはり家電は無いと困るし、不便な気がするから。
著者も、そんな生活を読者に求めたり
勧めたりしているわけではありません。
ただ、不便な生活をしたからこそ見えてきた、
「便利」とか「豊かさ」とか「生きる」ということの意味。
それについて、ハッとさせられる言葉がいくつも綴られています。
例えば、
「冷蔵庫が生きるサイズを見えなくする」
食品ロス問題と冷蔵庫の関係に触れた一節での言葉です。
たくさん買っても、とりあえず保存しておける冷蔵庫。
便利ですが、それによって、
本当に必要な(食べられる)量が見えなくなっているのでは?というご指摘。
所詮、人が食べられる量には限度があるのに、
それ以上のものを買ってしまう(買わせる)ような流れになっているということ。
なんて耳が痛いお言葉・・・
私もその流れに乗ってしまっているひとりです。
平日は買い物に行けないから1週間分まとめて、とか、
ちょっと多いかもしれないけど保存できるから大丈夫!
といった具合に、
完全に冷蔵庫をアテにしている自分に気づかされ・・・
もちろん、無駄には買っていないつもりですが、
どれだけの量があれば本当に十分かなんてちゃんと考えたことはなく、
「生きるサイズ」という言葉がとても重く響きました。
他にも、今の生活からは見えてこないであろう価値観や示唆がこの本には詰まっていて、とても新鮮でした。
と同時に、「本当に大事なもの」を問われた気がして、
考えさせられる面もありました。
ちょっと重そうな話に感じられたかもしれませんが、
稲垣さんはもともと新聞記者ということで、
文章は軽やかですし、楽しみながら読める一冊です。
休日に、気軽に読むのにも適していると思います!
よろしければ手に取ってみてください。
では。