人材紹介の安田です。
日常がやっと戻り始め、ありがたい限りです。
在宅勤務は、メリットとデメリットがありましたが、少なくとも新鮮さを味わえました。
支給されているLet’s noteは、最大3画面出力できる良いグラフィックボードを積んでいたので、試してみました。
・右画面に、社内チャットとスケジュール
・真ん中は、メイン作業用
・左画面に、人材紹介のシステム(求人情報や求職者さんとのチャット)
を並べて、ウィンドウ切り替え不要・同時参照での作業。
生産性がどこまで上がったかはわかりませんが、とりあえず新しいことを始めてみるのは、悪くないですね。
「新しいこと」といえば、
野中郁次郎『アメリカ海兵隊』(中央公論新社)を最近改めて読みました。
著者の野中郁次郎氏は『失敗の本質』で有名な経営学者で、この本も初版が1995年に発行されて以来読み継がれているロングセラーです(現在19版!)。
今となってはそう多く売れるものでもないと思いますが、刷り続けるのは出版社の矜持でしょうか。本当にありがたい限りです。
さて、副題にご注目ください。「非営利型組織の自己革新」
どういうことか?
本来、自由市場の競争にさらされにくい公的組織は自己革新を図る方向に圧力がかかりにくいはずです。
ところが、
帆船時代の「斬込隊」兼「艦上警察」を起源とするアメリカ海兵隊は、
海軍前線基地の防衛(米西戦争)
※これによりアメリカは、グアムやフィリピンを統治下に納めました。
↓
陸軍と同じ陸戦部隊(第1次世界大戦)
↓
上陸作戦部隊(第二次世界大戦)
↓
陸空統合作戦部隊(朝鮮戦争/ベトナム戦争)
↓
全世界規模の初動部隊
と数十年ごとに、(たびたび強烈な廃止・縮小論にさらされながら)形を変えて存続してきたのです。
海兵隊はアメリカ五軍(陸・海・空・海兵・沿岸)の中で最小ながら、「常に新しいことをやってきた」組織と言うことができます。
強固なピラミッド体制で、官僚制の最たるものである軍隊組織において、
しかも、もっとも資源の少ない最小組織において、
何が柔軟な変革を可能にしているのか?
考えてみる価値のあるテーマだと思い、再び読むに至りました。
おそらくは、仕組みとカルチャーが良くマッチしているのだと感じました。
柔軟さの一因として、海兵隊には、士官クラスの一人ひとりが小さな改良から大きな革新に至るまで提言し、実現していくカルチャーの存在が説明されています。
またそれを実現するための仕組みとして、以下2点が挙げられていました。
①海兵隊司令官が推薦図書を公表し、全員が議論する。
②幹部向けの月刊誌では自由投稿の論文が多数掲載され、様々な視座が提供されている。
課題を提示すると、みんなが真剣に考える。そして議論をする素地がある。
立場の違う多くの人から視座が提示されればそれだけアイディアが建設的になっていきますし(まとめあげる管理者は大変ですが)、
紙で自分の意見を表明するとなると、口頭に比べてより構造的・論理的な説明を求められるため、必然的にアイディアがブラッシュアップされていく効果もあるのかなと思いました。
ではまた!