高井です。

なんだかもうすっかり秋。

朝晩の冷え込み以外に日中でもで空気が少しずつ変わっていく感じがしますね。

これから冬になるのは早そうだなぁと感じて、なんかしみじみとしてしまう今日この頃。

今の時期、仕事的には上期の人事評価と下期の目標の確定の仕事に追われている。

実は人事評価制度を名大社は今年の4月から正式に導入した。

そのため今は昨年と違い、社員の成果の数値であるMBOや行動特性のコンピテンシー格闘しながら

それを元にした個人面談の日々が続いている。

上期はみんなの頑張りのおかげで全社売上目標ができている為ある種の達成感がある。

そして下期の目標も商品企画も出揃い、それに向かってみんなが鋭意邁進中だ。

人事評価の1on1ミーテングでは時には意見を戦わせながら、

上司が部下と課題と目標を擦り合わせながら合意と評価(確認)、その評価をまたその上の上司が評価する。

この人事評価制度の流れを、矛盾を抱えながらも少しずつ形になってきているように見えるのが

個人的にはとっても嬉しい。

もちろんまだ本格的に導入されたとは全然言い難いのだが…

 

名大社が(株)あしたのチームのコンサルを入れて人事評価の仕組みを導入した4月は正直言って戸惑いしかなかった。

現場では慣れないことゆえのノウハウのなさと、評価のための業務の増加で、

人事評価制度をどこで辞めたら一番被害が少ないだろうかと思っていた時期もあった。

少人数の中小企業の人事評価の場合、現場社員がやるのは当事者すぎて公平性はあるのか?

評価を社員全員でやるのは時間がかかるし何より効率が悪いのではないだろうか?

人事評価が初めから導入されていた企業ならそれなりのノウハウの蓄積があるのだろうが

お恥ずかしいのだが、今まで名大社には社長以外に評価の仕組みも権限もなかったのだ。

成長のための人事評価制度?

あしたのチームからなんども聞かされたが正直あまりリアリティがなかったのだ。

そうした様々な疑問を抱えながら一応この半年間、この人事評価制度から一番感じたのは

実は人事評価制度の難しさでなく「目標」を作ることの難しさだ。

人事評価制度を社員同士を比べる相対評価ではなく、

一人一人それぞれの成長を見る絶対評価を前提として考えた時

それぞれに異なる能力・異なる立場をもつ社員の成長を予測し、

その負荷を織り込んでそれぞれに目標を作ることになる。

簡単な例で言えば、例えば会社全体で昨対の20%増の売上を目標としているから、

全員一律に20%増の売上目標を作るようなトップダウン型のロジックだ。

そもそも売上を持っている営業と、持っていない営業とでは20%増の負荷が違うので

同じパーセンテージになるわけがない。

そのため絶対評価型の人事評価制度を実施するには一人一人が

自分の現状を丁寧に分析し予測しながら目標を仮説化し、

その仮説を持って上司部下と2者間で合意形成をしながら、

個人の目標を作り上げる工程が不可欠であると思う。

いわばボトムアップ型の目標形成をしない限り絶対評価型の人事評価制度は難しいのだ。

今まで、名大社の目標はトップダウン型の目標作成しかしてこなかった為、

これが非常に難しかったし今でも正直しんどい。

それは膨大な手間だからだ。

目標を昨対の売上の20%で作ることは簡単だ。

しかし、そういう乱暴なやり方ではなくボトムアップ型のロジックで目標を作る場合は

とにかく積み上げていくことだと思う。

まず1社のクライアントの今年の需要を予測し、

それに伴い提案できる商品を予測し、

それに伴い必要とされる営業行動の量を計画する。

ついでに3C分析的に言えば競合や市場(代替品との勝負の意味で)との兼ね合いも予測しなくてはならない。

それから忘れていけないのが営業の個人的なクライアントへの意欲・思いも結果に影響を与える重要な要素だ。

それらを自分が担当している全てのクライアントで行い、その積み算が営業の売上目標になるのだ。

もちろん、これは理想だ。

こんなことを当社のようにクライアント数を沢山もつ営業が全部行うのは不可能に近く、

実際は単純に自分は役割的にこの売上数字をやるべきだという願望から売上目標を作る場合が多い。

けれどこのボトムアップ型の目標作成は、営業社員一人一人に内省を促す。

そしてこの内省はマーケティング業務に近い。

今までは単純にやらなくてはならない数字があり、

それに伴う営業行動量とリストを考えるのが当社の営業だったと思う。

いわばローラー型の営業スタイルだ。

しかし現状は少しづつであるが、自分が担当しているクライアントのニーズに注視している営業の会話が増えた気がするのだ。

なぜなら正しく売上予測しなくては、自分の売上数字の負荷が増えるのだ。

現在(状況)を正しく知ることを抜きに、正しい未来(目的)を見ることは難しいのだから。

それがおそらく目標(=結果)へのコミットメントを生むのではないだろうか?

 

だめだ。

本当は内勤の人事評価についても書きたかったですが、あまりにも今日のブログは長すぎるので次回に回します。