こんにちは!名大社の梅原です。

最近話題の人と言えば、将棋界の新星、藤井聡太四段ですよね!

連勝記録更新のニュースが連日のように報道されているので、将棋にはあまり興味のなかった私でも、注目せざる負えなくなりました。笑

(実家には、父親が手作りした将棋盤がありましたが、今となっては行方知れず・・・)

 

(日本将棋連盟HPより)

資質として持っている聡明さもさることながら、彼の強さの秘密は、終盤でみせる粘り強さなんだとか。いかなる場面においても、ブレないその実力は、毎日の詰将棋で培われたもの。
王手までの道筋を極めるためにあらゆるケースを学習した者が勝利を手にできるということを、彼は身を持って証明してくれているのかもしれません。

 

ゴールまでの道筋を思案することは、文章を書くことにも通じるものがあると思います。
以前のブログでも何度か言及したことがありますが、私は企業に取材して原稿を書くことも仕事の一部です。
今回は、取材記事を書く上で自分が思っていることを書きたいと思っています。

 

取材記事を書く上で、質を左右するのは、情報としての素材の良さとストーリー展開。この2点に尽きると個人的には思っています。

 

まず、記事として使える情報を収集するためには、聞き取りのうまさと取材対象への理解度の高さがキモになると思います。
聞き取りする技術は、コミュニケーション能力の一部なので、場数を踏むことで身につけるしかないと思います。

それよりも事前の努力として欠かせないのは、綿密な下調べです。
最近では、だいたいこんな話になるだろうという想定のもと、事前に原稿のたたき台を作っています。予想とは違った展開になることはあるものの、結果として取材もスムーズになり、お話を深掘りすることにもつながっている気がします。

 

いざ、実際の原稿執筆をする上で常に意識しているのは起承転結です。
まず取材を録音した音声データを聴きながら、構成を考えるための素材としてベストなものを拾います。そして、文章の順序を考えるのですが、この工程でストーリー展開として面白いかどうかが決定すると個人的には思っています。

どの素材を、どんな文脈で起承転結に表現するか・・・
情報量は多ければ多いほど、整理整頓は非常に難しいです。ただ、反対に少なければ、一般論になりがちで凡庸な内容になってしまいます。その絶妙なバランスを見つけることに難しさがあります。

 

取材記事を書くことは、他者の考えを再構成し直すという面で、編集に近いものがあると感じています。
取材対象の方の語りの最深部にあるメッセージをいかに表現するか、そのために説得力のある構成を考える必要がありますし、時には布石になる一文を恣意的に配置してみたり、続きが気になると思わせるようなハッタリを効かせたりすることも大事です。

得られた素材は同じでも、何をどの場面で使うかで読み手に伝わる印象は変わります。
情報素材は将棋に置き換えれば駒かもしれません。捨てるのも、生かすのも自分次第。
限られた枠の中での自由があること、これが取材原稿を書く上での醍醐味ではないでしょうか。

 

道筋は未知数、だから面白いんです!