こんにちは。
CM撮影日記を早く書きたいけれど、告知がスタートしたら!と決めているので、またもや後回しにしている不破です。
そんなわけで、今回は、青をテーマにした美術ブログでお付き合いをお願いします。
上野の森美術館で開催中のフェルメール展を観てきました。
当初はあまり興味がなかったんですが、まさかの公式Twitterの広報に惹かれて観に行ってきました。
フェルメール展公式Twitter
「牛乳を注ぐ女」という作品から、ミルクさんというキャラクターが呟いていてかわいい。
「牛乳を注ぐ女」に関してはビジュチューンシリーズの「何にでも牛乳を注ぐ女(YouTube)」もおすすめです。
日本人はフェルメール作品が好きだとよく聞きます。日本人は印象派が好き、とも聞きます。
先日の名古屋での印象派展、今回のフェルメール展と続けて観て感じたのは、色彩の柔らかさと宗教色の薄さ。
古い西洋画には宗教画が多いので、とっつきづらいのかなあと思いました。
個人的には、微妙にキリスト教の知識だけはあるせいか、宗教画も面白いと思うんですけどね。
フェルメールの作品は「なぜその瞬間を?」と聞いてみたくなるような、日常の一コマを切り取ったような、動画を一時停止したような絵ばかり。
はっきり言って構図はどれもほぼ同じなんですが、絵によって全然別の生活が想像できてわくわくします。
これとか↓
By ヨハネス・フェルメール – 不明, パブリック・ドメイン, Link
そして、色彩の柔らかさが印象的。鮮やかなのに柔らかい、そして光の表現も優しく暖かな印象を受けました。
その中でも目を引くのがフェルメールブルーと呼ばれる鮮やかな青。
とても高価なラピスラズリの絵の具を使っているそうで、本当に鮮やかできらきらとした、いわゆる「青色」が表現されていました。
個人的には、あまり青みの無い「ワイングラス」という作品がイチオシだったりしました…!クリアファイル購入!
その一週間後。趣向はガラッと変わって、奈良県は吉野山、修験道の総本山、金峰山寺に参詣してきました。
以前から行きたかった金峰山寺。目的はもちろん、本尊である三体の蔵王権現像。
秘仏のため、通常は見ることのできない像なんですが、ここ数年は仁王門の修理勧進のため年に2回特別公開されています。
写真を見るとその威圧感はすさまじく…一度生で見て見たい!と思っていたもの。
蔵王堂という大きなお堂の中、畳敷きの境内に上がると、少し奥まったところに、真っ青で大きな像が三体。
畳に正座して見上げるとようやく全貌が見えるほどの大きさです。それでも三体一気に視界に入れるのは難しいサイズ感。
奈良のお寺の仏像は、昔ブログに書いた長谷寺も含めどれもそうなんですが、大きさといい迫力といい言葉にし難い存在感があります。
正直ブログ向きでは無いですね…。
生で観なくては感じられないなんとも言えない感動が味わえて、大満足でした。
この蔵王権現像、顔も体も真っ青。慈悲の心を表している…ということですが、とても深くて重々しい青は少し近寄り難い雰囲気。
この青さがおそろしくもありつつ、像の力強さを増している感じがしました。
↑お寺で買った本のカラーページ。
どちらも印象的な青なのに、受けるイメージは全然違うんですよね。
デザイナーとしては、印刷における青って非常に難しくて、ちょっとのことでくすんでしまったり、紫みが強く出てしまったりします。
でもその反面、目立つし、ビジネス的誠実さを表現するのに向いていたりして使いたくなる色でもあり。
たったひとつ「青」を取り上げてもこんなにさまざまな印象を受ける…改めて色って不思議だなーと思った二つの美術体験でした。