人材紹介の安田です。
昨年、山梨県にあるサントリー「白州蒸溜所」を訪ねまして(早秋の旅)、
今回は大阪の「山崎蒸溜所」へ行きました。
見学ツアーはモノの数秒で予約が埋まってしまいますが、ゼミの同級生が予約開始直後に人数分押さえてくれました。
仕事中のはずですが、誰も詳しくは聞きませんでした。
国産ウィスキーをメジャーなものにしたサントリー創業者、鳥井信治郎氏肝入りの蒸溜所です。
お客さんに見学してもらいやすいように都市部からアクセス良く、なおかつきれいな水が潤沢にあり、加えて湿度の高いエリア…と絶妙な条件を満たしたのが「山崎」でした。
詳しくは「琥珀の夢」をご覧ください。アマゾンプライム入ってる方は無料で見られます。
交通の便……いや確かに電車は通っていますが、なかなかにレトロな駅舎でした……
↑ツアー前後に見学できる博物館には、なかなかに「映え」るコーナーも。これは家に飾りたい。
並んでいるのは確かブレンド前の原酒で、癖が強くて飲めませんが…。
工程を進むにつれてだんだんウィスキーっぽい匂いが漂ってきました。
蒸溜器自体の形、ノズル?の形状、高さ、角度によって味が変わってくるそうです。
首根っこが膨らんでいる子もいました。
そして樽詰めして寝かせておくんだそうです。声を出せば良く響く倉の、ずっと向こう側まで樽が並んでいます。
ただ、公開されている倉はごく一部で、他にもたくさん保管されているとのこと。
樽には、詰めた年数が書かれています。
これは最近のものですが、1980年代に詰めたような樽もありました。
ウィスキーは少しずつ気化して抜けていくため、年数がたつと段々樽の中身が減っていくことになります。
そのため、新しい樽の蓋をたたくとゴンゴンとたっぷり詰まった音を聞けますが、年数がたつにつれてだんだん高い音が響くようになります。
叩く場所を変えると音が変化するため、「あっ、もうこの樽は半分しか残ってない!」なんてこともわかっちゃいます。
(※係員の方からどうぞ叩いてみてくださいと言われます)
見学ツアーを終えた後には原酒の試飲です。
ウィスキーは樽(の素材)ごとに風味が大きく異なるため、それらを混ぜて安定した「山崎」ブランドの味を作っています。その原料を味わってみようというものです。
度数が結構強いので、終わるころにはみんなフラフラになって味は良く分からなくなっていましたが、とりあえず美味しかったです。笑
今蒸溜したウィスキーを飲めるのは数十年後。サントリーからすると、数十年後の流行や需要量を読んだうえでの製造をすることになります。
将来の日本/世界ではどういう風味のウィスキーを好まれるか、その需要にこたえるには、いまどれぐらいの樽が必要になるか、という計算をしているのだとか。
いま売っているウィスキーも「社会が豊かになるにつれて価値観は画一的でなく様々になる。その時には蒸溜所の個性があるウィスキーが好まれるだろう」という読みで開発されたのだとか(完全に酔って聞いていたので、記憶が正しければ)。
作り手からすると、自分の仕事が世に出るのはせいぜい自分の退職後、下手したら亡くなった後ですよね。
結果が目に見えにくいものだけに、果たして日々何をモチベーションにして働かれているのだろうかと、思いめぐらせたりもしました。
もはや、「自分が日本のウィスキー文化を支えているんだ」といった執念・プライドなのでしょうか……。
鳥井氏をはじめ作り手の執念を感じる旅でした。