こんにちは、高井です。

今日は組織について。ちょっと退屈だとは思いますがお付き合いください。

 

考えてみると、ここ何年間、新しい組織のあり方について考えたり、話し合ったりするのが多いことに気がついた。

当然、今現在の自分の仕事を進行形でしながら、今のものではない、もっと違う組織が必要な場面がたくさん出ていると思う。

グローバリゼーション、メール、携帯・スマホ、Webの進化、クラウドサービス、グーグルのサービスなど。

これらの新しい外部環境は、こんなにローカルな仕事をしている名大社においても、ここ10年程度で確実に仕事の仕方も様変わりしたのだ。

たくさん例はあるが、一つだけ言うと、何事もスピードが求められるようになったのを感じている。

クライアントへの見積も、連絡も早くなった。その分物事を決断する時間もスピードが求められる。

相談する時間、共有する時間、考える時間。

そして人間の基本的な仕事スキルの多くの部分もすべて早くなくてはいけないみたいになってきている。

 

組織は自然に人間が集まれば作られるだろうが、良い組織は間違いなく何らかの人為的なアプローチが必要に感じる。

ダメな組織の例。それは名大社にもたくさんあった。

それは大きく分けて2つあるのではないかと思う。

ハードアプローチで動かそうとする組織とソフトアプローチで動かそうとする組織。

ハードアプローチとは、簡単に言うと、問題に対してあるべき合理的な問題解決を先に決めて、

プロセスなどでのチェック表を作って管理・指導していくやり方。(これにはインセンティブなどの報奨金も入る。その逆の叱る・怒るも同じ)

これは合理的精神としては、ロジカルでやりやすいし、こういうモノを段取り良くやれる人が世間的に優秀な人と呼ばれるのだと思う。

 

ソフトアプローチは、ハードアプローチなどでギスギスした組織に対して油をさすようなものだ。

その手段は、例えば仕事の業務以外の飲み会や、社員旅行、上司との熱い人間関係、従業員主導の取り組みなどを指す。

つまり良い対人関係は、良いパフォーマンスを生み出す(エルトン・メイヨー)

 

まずハードアプローチは今でも一番多い組織の動かし方だが、僕がキライなのは「繁雑性」を生み出すことだ。

簡単に言うと「シンプルさ」の価値がなくなる。

生きていく限り課題はいくらでも出る。無くなりはしない。そのたびごとにチェック項目が増え、管理票が増えていく。

本来の〜を作る、というテーマである製造業が、管理表を埋めていくことが仕事になり、今度はその管理表を管理する管理表が必要になり無限に管理表が必要(これが繁雑性)になる。これでは本末転倒だ。またグローバルゼーションにおける外部の複雑性は、組織が計画した段取りよりもっと早い速度で、次の状況を伝えてくる。

 

また確かに重要なソフトアプローチだが、この手法が良好な対人関係を重視する方法なので、いわば後で書くがみんなとの協働を妨げる可能性が高い。

ソフトアプローチは人の好意や、感情的な面を刺激するが、従業員の自律を促したりしないと思える。

 

まるで正反対のように見えるハードアプローチ/ソフトアプローチは、実は両方共に個人をあくまでもコントロールしようとする仕組みという共通項がある。

これはお互いに補完する関係だ。そしてともにそこで排除されるのは、現場で働く個人の「自律と協働」である。

本当は複雑性に対応することができるのは、現場で自ら判断を下す人のみである。したがって複雑性への対応は、従業員の自律が不可欠なのだ。

組織構造、計画などをいかに上が決めようと、業務の最前線にいる従業員の創意工夫と努力以外、イノベーションも、売上も生まれるはずがないことは、日本が得意とするカイゼンからくるものづくりが証明してくれていると思う。

 

「自律と協働」のある新しい組織。

ではそれを作るためにはどのようなアプローチが有効なのか。それは後編へ続く